2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Research on the Relationship among Stock Prices, Macroeconomy and Monetary Policy in China, and Linkage of Stock Prices in the Chinese and Global Stock Markets
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17K03699
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
張 艶 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20367030)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 中国株価 / マクロ経済 / 金融政策 / 株価連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、整合性のあるマクロ・データベースを構築した上で、中国の株価とマクロ経済の関係について分析し、金融政策が株価に影響を及ぼす伝播経路を明らかにし、さらに、グローバル化時代における中国と外国との株式市場間の連動性を考察することである。世界金融危機が中国のマクロ経済に及ぼした影響も探り、株式市場の構造変化の可能性を検証する。
前年度に続き、いままでの実証分析を続けて行った。中国の株価変動について考察し、最近の株価変動の原因を明らかにし、株価変動に対する実体経済と金融政策の効果を分析した。具体的には、まず、最近の株価変動の原因を考察した。そして、先行研究をサーベイした後、中国の株価変動に対する実体経済と金融政策の影響について実証分析を行った。分析のプロセスとしては、まず、分析手法を紹介した後、単位根検定、共和分検定を行い、そして、グレンジャー因果性テスト、VAR分析などの分析により、株価変動に対する実体経済と金融政策の影響を明らかにした。最後に、分析結果に基づき、マクロ経済と株式市場の関係について総合的に分析し、有効な金融政策を考察した。
グローバル化した中国経済の側面をさらに考察するため、EGARCHモデルなどを利用し、中国・日本・アメリカ・ドイツなどの株式市場間の連動性も考察した。さらに、米中貿易摩擦が中国の株式市場、世界株価の連関に与える影響についても分析した。研究成果を国際学会2019 Korean Economic Review International Conferenceで発表し、参加者から有益なコメントをいただいた。また、米中貿易摩擦の背景、具体的な内容と摩擦発生後の中国株式市場の反応、及び中国のマクロ経済の現状、今後の展望などについて原稿をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国出張がキャンセルとなった。予定されていた中国現地での調査、資料収集と成果発表はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は引き続き研究成果の発表に努め、最終的に実証分析を完成させる。研究結果について広範囲の国内外の研究者・専門家・実務家と話し合い、可能ならば、中国に現地調査に赴き、分析結果のフィードバックをする。また、研究の成果を国内の学会で発表し、細部を詰めた後に、海外の学会で発表する。
新型コロナウイルスの状況が不明な中、中国での現地調査、国内外の学会での発表は実現できない可能性もある。もしできない場合は、オンライン会議の参加、メールやオンラインで国内外の研究者との連絡などにより、できるだけ中国経済・計量経済学・ファイナンスなどの専門家から意見やコメントを頂くつもりである。また、ジャーナル誌に論文を投稿し、レフェリーから修正意見をいただき、論文のバージョンアップを図る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、予定されていた中国出張はキャンセルとなった。今年度海外出張ができるかどうかはまだ不明であるが、研究用物品の購入、完成論文の英文校閲及び投稿料などに使用する予定である。
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