2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K03715
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
川崎 一泰 東洋大学, 経済学部, 教授 (40338752)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PPP / 経営管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は公益事業の公民比較をするためのサーベイ調査の方法及び内容について検討し、準備作業を行ってきた。また、日本バス協会、経済産業省等に対して調査協力の依頼等の作業を行い、その他関係省庁への協力を打診したところである。研究会等で研究概要の説明に加え、調査票の内容も吟味し、議論を重ねたところである。この他、社会活動として地方創生に関する研究プロジェクト、PPPをめぐる国際比較研究、社会資本データ整備と分析に関する研究、低炭素社会構築のためのエネルギー政策のあり方における研究活動も実施してきた。具体的な研究成果としては、下記の論文の他、論考等の執筆をした。 1.「自然災害の産業連関分析」月刊統計(日本統計協会)69-2,23-29.2018年2月 2.「政府予測の上方バイアスと財政赤字:政治的中立な独立財政機関の必要性」レバイアサン(木鐸社)69号、67-78.2017年4月 1の論文では、東日本大震災によるサプライチェーンの寸断による影響を計測するとともに、被害を軽減する方策を提案した。経済産業省の地域間産業連関表と電力中央研究所の都道府県間産業連関表を活用し、分析用のデータセットを作成し、前方連関分析を行うことでサプライチェーンの寸断による影響を描写した。分析結果を踏まえ、事業継続計画など部品調達先を分散させるだけでも大幅に被害を軽減できることを示した。 2の論文では、予算編成や経済政策を決定する上で重要な役割を果たす政府予測、具体的には「政府経済見通し」、「将来人口予測」などが統計的な誤差とは異なる偏りがあることを指摘し、その要因に関する先行研究のサーベイを行った。その偏りは常に過大になり、それに基づき予算編成や経済政策が決定されるため、財政収支が悪化する傾向にあることを指摘した。これを解決するために、独立財政機関のような政府から独立した予測機関が必要だと提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査を実施する計画であったが、先方の繁忙期をさけるため株主総会の集中時期(5月~6月)の後に送付することにした。このためアンケート調査の実効がやや遅れているが、当初から幅を持たせた計画であったため、研究計画全体の中での遅れとしては軽微である。 むしろ、調査票の設計に時間をかけられ、より有益な結果がもたらされることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票の設計を確定させ、アンケート調査の実施を計画している。回収後(概ね9月)より分析を開始し、年度末をめどに学会報告等ができるような論文として仕上げていく計画である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたアンケート調査の実施を回答者の繁忙期を避けたため、次年度の実施とすることにしたため、予算の多くを繰り越すことになった。
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Research Products
(6 results)