2020 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・バリュー・チェーンにおけるメキシコの役割:付加価値貿易分析
Project/Area Number |
17K03717
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
咲川 可央子 青山学院大学, 地球社会共生学部, 准教授 (60634350)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 付加価値貿易 / グローバル・バリュー・チェーン / メキシコ / 国際産業連関表 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和二年度は、「グローバル・バリュー・チェーンにおけるメキシコの役割:付加価値貿易分析」をテーマに、令和元年度に引き続き「付加価値貿易についての既存研究のサーベイ」「データの整備」を拡張した上で、「国内の専門家との意見交換」「海外の専門家との意見交換」を行った。 「付加価値貿易についての既存研究のサーベイ」については、世界銀行(2020)『世界開発報告2020 グローバル・バリュー・チェーン時代の貿易による開発促進』、Gary Gereffi(2018) Global Value Chains and Development、伊藤恵子(2020)「グローバル・バリュー・チェーンにおける途上国の生産機能の高度化」などが出版され、グローバル・バリュー・チェーンや付加価値貿易についての詳細及び総括的な知識を得ることができた。また、近年の米中貿易戦争は、グローバル・バリュー・チェーンにおけるメキシコの役割に大きな影響を及ぼしている。この点については、Enrique Dussel Peters (2020) “The New Triangular Relationship between China, the United States, and Mexico: Implications for Intra-NAFTA Trade"のNAFTA3国と中国間の貿易についての分析が、今後研究を進める上で重要な文献になることは間違いない。 「データの整備」については、上記Dussel(2020)を参考に、国連貿易統計(UN Comtrade)の詳細かつ膨大な財別、国別データの整備を進めている。 「国内の専門家との意見交換」「海外の専門家との意見交換」については、新型コロナウィルスの影響で、海外・国内出張が自由にできなかったため、主にZOOMや電子メールを用いて意見交換を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は出張面では遅れているが、それ以外はおおむね順調に進展している。新型コロナウィルスの影響により、自由な国内・海外出張ができないことが大きな制約となっている。ZOOMや電子メールを用いた研究交流を行ってはいるものの、ワクチンが普及し自由な出張が可能になることが望まれる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和三年度は、引き続き、地道かつ膨大な「データ整備」を行い、正確な「計量分析」へつなげる予定である。米中貿易戦争の影響を考えると、中国とメキシコの貿易関係についてはさらなるデータ整備と分析が必要となる。「現地調査」については、メキシコにおける新型コロナウィルスの状況次第であるが、ワクチンが普及して収束が進めば年度後期に計画ができるかもしれないと考えている。状況を確認しつつ、計画していきたい。「国内の専門家との意見交換」「既存研究のサーベイ」は随時行う予定である。
|
Causes of Carryover |
令和二年度は、新型コロナウィルスが国内及び海外で広まり、国内出張も海外出張も行うことができなかったため、次年度使用が生じた。令和三年度は、新型コロナウィルスの状況次第であるが、後期に海外出張も行えればと計画しており、その場合にはそれなりの金額が必要になることが予想される。
|