2017 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of Environmental-Economic Policy by the Watershed Model Considering the Material Cycle and Water Cycle
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17K03726
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70291416)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物質循環 / 流域圏 / 環境経済 / 環境政策 / モデル分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,対象とする流域圏に関して,経済モデルの開発を主な目的として研究を実施する予定であった.まず,具体的に対象地域を選定する前に,流域経済モデルの基本的な構造を検討した.特に今後,環境モデルとの統合を念頭に置くことが必要とされるため,環境負荷の種類や経済活動からの排出など経済モデルと関連する項目を詳細に検討した.最終的にはシミュレーション分析を実施する予定であるため,実際に利用可能なデータについても検討しながらモデルを構築する必要がある.したがって,流域経済モデルの構築とあわせてデータの確認および収集を実施した.流域経済をモデル化するにあたり,実用的な分析につなげるために地域産業連関表を組み込んだ構造にすることを検討した.都道府県産業連関表だけでなく,今後は市町村産業連関表やそれらの分割・統合を見据えてモデリングするために,産業連関分析に関してさまざまなデータや分析手法について調査を実施した.これらの成果の一部として,市町村産業連関表を用いた空間的な経済効果について分析を行い,発表した.データについては,流域の地理空間情報を把握するためのGISデータ,環境負荷の分析のための水質データや大気汚染物質のデータなどを調査した.可能な限り,公共機関などから一般的に公表されているデータを利用することを前提とし,これらのデータが流域経済モデルに関連付けられるかどうかを検討した.また,加工が必要な一部のデータに関しては,どのような集計や推計を実施すればよいかを検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経済モデルの検討と,環境モデルを見据えての関連するデータ収集を実施した.特に地域産業連関表を用いた経済モデルについては,基本的な構造を検討することができた.また,環境関連のデータについてもある程度利用可能なものが収集できた.ただし,流域単位での地理・空間情報を得るためには,多少のコストが必要となりそうであり,これについては引き続き検討したい.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で実施するモデル分析の対象流域を設定し,環境モデルの構築を実施する.前年度に収集した関連データを考慮しながら,環境モデルと経済モデルとの統合を検討する.また,物質循環の視点から,流域における水循環の構造を調査し,モデル化を検討する.
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Causes of Carryover |
モデル分析に利用するためのデータ収集に関して,流域空間情報のデータの調査が遅れたため.今後,データの加工も視野に入れてデータを入手する予定である.
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