2017 Fiscal Year Research-status Report
社会的責任活動の実証研究:企業のミクロ経済学的行動と政策分析
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17K03748
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Research Institution | The Japan Economic Research Institute |
Principal Investigator |
作道 真理 一般財団法人日本経済研究所, 調査局, 主任研究員 (70748954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的責任活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、企業・組織の社会的責任活動といった自主的な取り組みが社会に与える影響について、主に、環境配慮的な行動という観点から考察している。具体的には、職場での環境マネジメントシステムの導入の波及効果を研究している。環境マネジメントシステムは、もともと組織による環境への取り組みを促す目的で制度設計され、導入されるが、そのようなシステムの下で働いている従業員の家庭における環境配慮的な行動や家計の電気使用量へも影響することを実証的に検証している。今年度は、特に、環境マネジメントシステムに関しての従業員の認知度を考慮した上でも、これまでに得られた分析結果と同様に、環境マネジメントシステムの波及効果が統計的に有意になることを確認した。また、その波及効果には男女差が存在することが分かった。そして、これまでの研究結果をまとめて、論文執筆を行った。 今年度の研究で焦点を当てている環境マネジメントシステムは、持続的な経済発展のため、環境保全に関するルール作りが提唱、構築されてきた中で、その目的を達成するための一つの方法である。そのシステムの下では、環境教育が重要な要素となっており、また、業務を通じて、従業員は環境に関する知識を深めると考えられる。そして、当該職場以外の場所における行動にも影響を及ぼすならば、環境マネジメントシステムによる効果は、想定されている水準以上となり、また、導入を促進する更なる政策の重要性、及び、意義を示唆しているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究に関して、実証結果の頑健性を確認し、論文執筆を進め、研究結果をまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に取り組んだ研究に関して、さらに、論文執筆を進め、その後、学術雑誌に投稿する。また、企業、組織の社会的責任活動における他の側面に関して分析を進める。
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Causes of Carryover |
使用を計画していたデータの一部を今年度研究費で購入することができなかったため、繰り越してデータ入手のための費用に充てる予定である。
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