2022 Fiscal Year Research-status Report
国際産業連関表を用いたグローバルバリューチェーンの実証分析
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17K03749
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
黒岩 郁雄 新潟県立大学, 国際経済学部, 教授 (40403612)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グローバルバリューチェーン / 経済統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次年度に出版予定の書籍(Global value chain (GVC)and industrial development: partcipation, upgrading, and connectivity(仮題))の原稿執筆に専念した。本書は、共同研究者(1名)との共著であり、第1章、第2章、第3章におけるGVC関連のliterature survey、GVCの参加指標、高度化指標の分析手法や計算作業を担当した。また第5章では、アジア国際産業連関表を使ったハイテク産業の高度化について単独で分析した(他方、共同研究者は、GVCへの参加、高度化の要因を計量経済学を使って分析するとともに、第4章では国際海運など国間の連結性(connectivity)の分析を単独で行った。) 第1章では、GVC発展の要因(輸送費、経済統合、貿易自由化)やフラグメンテーションなどGVCの理論的背景について説明した。第2章では、GVC参加指標の計算方法について検討を行い、世界を8地域に分割して、GVC参加指標を計算した。同様に、第3章では、GVC高度化指標について検討し、分析を行った。第5章では、東アジアのハイテク産業について分析するとともに、アジア国際産業連関表を使った総輸出の分解(decomposition)方法についてはじめて説明した。 なお本書は、高度化の分析手法などの分野において独自性が高く、海外の出版社(Springer社)から出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、当初予定していた書籍の出版作業は、ほぼ予定通り進捗している。他方、学術論文は、これまで和文1本、英文1本(その他に、Discussion Paper 1本)を出版したが、査読に落ちたため、出版できなかった論文が一本残っている(The automotive value chain in Thailand)。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、以下の2点に注力する。(1)書籍を出版するために、原稿の修正や校正作業を行う、(2)The automotive value chain in Thailandを学術雑誌から出版するために、分析手法の再検討や計算作業を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度は、海外出張もできず、科研費で購入する物品もなかった。次年度は、予算を有効に使い、最終目標を達成する予定である。
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