2018 Fiscal Year Research-status Report
労働・住宅・結婚市場における仲介事業の役割と公的規制のあり方に関する比較研究
Project/Area Number |
17K03776
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安藤 至大 日本大学, 経済学部, 教授 (80377126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 安寧 日本大学, 経済学部, 教授 (40336508)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 仲介事業 / 労働市場 / 住宅市場 / 結婚市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2年目である平成30年度は、マッチングの仲介に関する理論研究を継続した。 具体的には、まず1年目に執筆したAndo, Munetomo and Minoru Kitahara “Committing to less contacts?: A note on equilibrium number of applicants with application costs,"の改訂作業を行った。これは北原稔(大阪市立大学)を共同研究者として執筆している。また企業の採用活動と法制度の関係について検討したAndo, Munetomo "Covenants not to Compete and Firms' Recruiting Strategies,"の改訂作業を行なった。 次に、仲介事業者が新規取引先を受け入れる際にどのような条件を課すことがマッチングの効率性向上に資するのかという問題について基本的な理論モデルを検討した。マッチングプラットフォームに参加する参加者が質によってセレクションを受けることは労働市場や結婚市場において現実によく観察されるが、これはマッチングの成立確率を上げるためには、参加している人数が多いことだけではなく、出会うことができる相手の質も重要であることが理由である。加えてこのようなセレクションの取り組みが、法的な規制を受ける可能性の有無について、また社会的に受け入れられている分野とそうでない分野の比較検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
仲介市場と法規制に関する実態把握について順調に進められている。これに対して理論研究については、いくつかのテーマを同時並行的に進めているが、これまでに得られた結果の一部が既存研究ですでに検討されていることが分かったために方針転換を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の3年目となる本年は、労働・不動産・結婚の各市場における法規制や業界慣習の違いを考慮した理論モデルを作成することを継続する。またこれまでに得られた結果について学会や研究会等で報告を行い、参加者からのコメント等を踏まえた改善を行うことを予定している。 加えて研究結果を対外的に積極的に公表し、加えて実務を行っている仲介事業者や規制当局との意見交換を通じて研究成果の改善と社会への還元を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度に計画していた国際学会報告の一部を次年度に行うこととしたため。
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