2019 Fiscal Year Research-status Report
労働・住宅・結婚市場における仲介事業の役割と公的規制のあり方に関する比較研究
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17K03776
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安藤 至大 日本大学, 経済学部, 教授 (80377126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 安寧 日本大学, 経済学部, 教授 (40336508)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 仲介事業 / 労働市場 / 住宅市場 / 結婚市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3年目である平成31年・令和元年度は、労働市場・住宅市場・結婚市場における取引と、マッチングの仲介に関する理論研究を継続した。 その成果としては、まず労働分野としては(1)長時間労働の削減とその手法について、(2)同一労働同一賃金の評価と課題について、(3)働き方改革の評価についての論文を発表した。また住宅分野では、(1)不動産市場の構造変化に関して、(2)既存建物ストックを活用するための法規制について、(3)区分所有建物における集団的意思決定の課題と解決手法について、(4)不動産の相続と遺産分割協議における課題と公平分割問題の応用について、(5)建築基準法の遡及適用ルールをどのように修正すべきかについての論文を発表した。 次に現在進行中の研究プロジェクトとして、マッチングにおける事前の情報獲得について、またマッチングの(ルール上は認められていないものの実際には行われている)内定の存在が参加者の行動に与える影響についての理論分析を行っている。後者については、大阪市立大学の北原稔との共同研究として実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の周辺的な現象についての論文は複数執筆したが、最も重要なテーマである各市場における規制を他分野に応用する制度設計をする上で課題を抱えている。具体的には、理論的には正当化可能である仕組みについて当事者にヒアリング等を行うと発見される新たな課題があることから、その検討の見直しと修正を行っている。 単なる理論研究ではなく、現実社会において実装可能な仕組み作りを行う上では避けられない作業ではあるが、実現可能性を高める観点から引き続き検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中であるマッチング仲介に対する法規制の理論的検討と社会的実装の研究を続ける。またマッチングにおける事前の情報獲得について、またマッチングの(ルール上は認められていないものの実際には行われている)内定の存在が参加者の行動に与える影響についての理論分析を継続する。 その上で実務家との協議を通じて、現実に適用可能な制度設計を行う。
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Causes of Carryover |
マッチング仲介の法規制について、具体的な制度設計を行うとともに、マッチングを決定するメカニズムに現実的課題を踏まえたの修正を試みていることから、研究の進展が遅れている。令和2年度も新型コロナウイルス症に起因して、共同研究者との研究活動が対面では行えない、学会への参加がオンラインになるなど、研究費使用上の課題はある。しかし本年度は、研究の総決算として、研究報告等に研究費を使用する。
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