2019 Fiscal Year Research-status Report
教育・起業投資と最適課税分析:税収制約下で成長と公平性の両立は可能か?
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17K03788
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
小川 禎友 関西学院大学, 経済学部, 教授 (30330228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 亮 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90324855)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 最適課税 / 教育投資 / 経済成長 / 技術進歩 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の小川は、外部の教育施設を利用できる状況において、一定の税収を確保するという制約の下で、厚生レベルを最大にする最適課税問題を分析した。本研究では、多くの課税手段(物品税、所得税、直接の子供補助/税、外部の教育施設利用に対する補助/税)を認め、それぞれの役割を明らかにした。幅広い条件の下で、教育施設利用への補助が厚生レベルを改善することを示した。また、シミュレーション分析により、外部効果と必要税収レベルの変化が最適課税構造に与える効果も明らかにした。これらの研究成果をKwansei Gakuin University, Discussion Paper として出版予定である(2020年5月に出版済、No 221)。また、関西学院大学、神戸大学、信州大学において、これらの研究成果の報告も行った。 研究分担者である堀井は前年度に引き続き、国際共同研究により、投資財と消費財の相対価格変化と整合的な技術進歩のパターンを研究した。さらに、国際収支と貯蓄に注目した国際経済の研究に関して、一般向け講演を複数行った。また、コロナショックのような急激な金融・経済的ショックに対する経済主体の動きを分析する研究を行い、"Financial Crisis and Slow Recovery with Bayesian Learning Agents," ISER Discussion Paper 1085として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者である小川は、研究成果を Kwansei Gakuin University, Discussion Paper として出版予定(2020年5月に出版済, No 221)であり、研究分担者である堀井は研究成果をISER Discussion Paper 1085として発表したため、おおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の小川、研究分担者の堀井共にディスカッションペーパーとして発表した論文の完成度を高めてジャーナルに投稿する。さらに、研究代表者である小川は、より一般化したモデルにおいて分析することを試みる。具体的には、加法分離関数は維持しつつも、sub-utility と子供の質関数を一般化したモデルを考える。
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Causes of Carryover |
共同設備の活用および大学の個人研究費の増額に伴い支出が節約できたため。次年度は学会報告・参加費、英語論文の添削代などを中心に活用する。
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Research Products
(10 results)