2019 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアにおける最低賃金上昇の影響評価:自然実験を利用した分析
Project/Area Number |
17K03794
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
東方 孝之 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究員 (70450533)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 最低賃金 / 地方分立 / インドネシア / 影響評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、最低賃金水準の変動が労働者や家計の厚生水準(就業状況・賃金水準)に与えた影響を探ることである。計画では、まず、企業や労働者の個票データについて場所をできうる限り詳細に特定し、また、地方自治体レベルの情報とも組み合わせてパネルデータを構築する。次に、地理的に隣接し、かつ、最低賃金引き上げ水準が異なる地域間の比較や、地方自治体の分立、そして地方首長選挙の導入、といったイベントを利用して、因果関係を明らかにした分析を実施する計画である。 2019年度は、(公開が延期されていた)インドネシア中央統計庁が収集していた2008年からの3か年パネル家計調査を入手できたことから、そのデータのクリーニングならびに個人レベルでのマッチング作業を行い、暫定的な分析を試みた。また、前年度に執筆した論文(The Effects of Internal Migration on the Labor Market in Indonesia)では、これまでに構築したデータセットをもとに、国内労働移動が(移住先にもともと住んでいた)労働者の就業状況(失業)や賃金に与えた影響を探ったが、報告後に得られたコメントをもとに改訂作業を行った。最後に、既存のデータセットを用いて、1999年から2019年にかけての失業率と最低賃金の上昇率(実質値)、実質賃金との関係を整理し、その成果を論文(「第1期ジョコ・ウィドド政権期の経済:経済成長と雇用・貧困削減の分析」)にまとめた(同論文は2020年度に電子書籍として所属機関から出版される刊行物におさめられる予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初利用する予定であったデータの購入が2019年度までできなかったため、別途データセットの構築作業が必要となり、計画に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
パネルデータセットを完成させた上で、地理的に隣接している地域間の比較分析ならびに地方分立イベントを自然実験とみなした分析を行い、Discussion Paperとしてまとめる。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた大規模家計調査の個票データは、2019年度になって一部のみがインドネシア中央統計庁により購入が許可されたが、残りについては未公開である。その公開に備えて翌年度に繰り越した。
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