2018 Fiscal Year Research-status Report
Smooth Ambiguity and Real Options
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17K03806
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 曖昧性 / リアルオプション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は以下の2つの研究テーマを柱として研究を進めた。 1.昨年度に引き続き、滑らかな曖昧性モデル(smooth ambiguity)において、曖昧性が意思決定者の最適投資行動にどのような影響を与えるかに関して分析を行った。risky assetとambiguous assetの二つの資産への投資選択問題において、曖昧性の存在が、ambiguous assetへの投資を減少させる十分条件を導出した。さらに、本研究によって、国際分散投資の問題において重要なパズルである、ホームバイアスパズルを説明できることを示した。本研究は、国際的学術誌であるAnnals of Operations Researchに採択された。 2.昨年度に引き続き、Klibanoff et al. (2005, Econometrica)のモデルに基づき、曖昧性への態度が、意思決定者の投資行動にどのような影響を与えるかについて、分析を行った。曖昧性が投資行動に与える効果は、確率優位だけで決定されるわけではなく、投資関数が補完的か代替的かによって異なることを証明した。2019年度中に国際的学術誌に採択されるよう、改訂に努める。 3. ナイト流不確実性の下でのupdating ruleについて、動学的整合性(dynamic consistency)および帰結主義(consequentialism)を踏まえて、Dempster-Shafer updating rule, Naive Bayes updating rule, Fagin-Halpern updating ruleという三種類のupdating ruleを、同じ方法論で公理化する研究を進展させた。本研究は、国際的学術誌であるEconomic Theoryに採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
曖昧性モデルを考慮したリアルオプションに関する研究論文の執筆には至らなかったが、曖昧性モデルの研究が国際的学術誌に採択されたため、このように自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度については、前年度までに得られた研究成果を踏まえた上で、曖昧性モデルにおけるリアルオプションの研究を進展させる。
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Causes of Carryover |
(理由)学内業務および他の科研費との関係から、次年度以降に執行した方が適切と判断したため。 (使用計画)研究成果報告及び研究打ち合わせのための出張費として適切に執行する予定である。
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Research Products
(5 results)