2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a new decision model under ambiguity and its application to asset valuation
Project/Area Number |
17K03825
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
岩城 秀樹 京都産業大学, 経営学部, 教授 (40257647)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 曖昧性 / Knight的不確実性 / 資産選択 / 不確実性下での意思決定 / 不確実な確率を伴う期待効用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果:Y. Izhakianが考案した不確実な確率を持つ期待効用理論(EUUP)において曖昧さの大きさを測る測度を導出した。具体的には、曖昧さが同一の事象に対して複数の確率分布として与えられるときに、確率分布の確率信念を考え、その確率信念の下での事象生起確率の分散が曖昧性の測度として適当であることを示した。さらににこの測度を下に曖昧さの大きさがポートフォリオ選択に与える影響を考察した。曖昧さに対する態度の変化が資産投資を減少させることと、曖昧さの大きさの変化が資産選択を増加させるための十分条件を導出した。 昨年度までの研究成果:1.純粋交換経済モデルにおいて、従来の起こり得る結果や結果の生起確率が一意に定まることを想定するリスク下での経済保険料計算原理を我々が構築した滑らかな曖昧性モデルの双対定理を用いてより現実的な曖昧性下での保険料原理に拡張した。この保険料計算原理を用いいることによって、保険料が理論価格よりも高いと言われることに対して理論的な説明を与えることが可能となる。 2.曖昧性の表現として、確率値が幅を持つというファントム確率空間によって曖昧さを表現した場合の意思決定モデルであるファントム意思決定モデルを用いた場合に曖昧性の意思決定に及ぼす影響を考察し、ファントムな不確実性の変化とそれに対する意思決定者の態度の変化が人々の資産需要の増減をもたらすことになるための十分条件を導出した。 3.滑から曖昧性モデルの双対理論を基づいて意思決定者の曖昧性に対する選考が表現されるという仮定の下で曖昧性下での均衡資産価格評価モデルを導出し、均衡価格の存在と一意性を示した。さらにこの評価モデルに基いて曖昧性の均衡における曖昧性の資産収益に与える影響を抽出した。 以上の成果は気質効果のような従来のファイナンス理論では説明できない現実現象の解明に手掛かりをもたらすものと考えられる。
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Research Products
(4 results)