2018 Fiscal Year Research-status Report
地方資産家による工業化投資行動と投資先企業の競争力構築を繋ぐ複数経路の実証研究
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17K03847
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三浦 壮 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (60432952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 毛利家 / 吉川家 / 麻生家 / 中央企業 / 地方企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,①前年度に蒐集した地方資産家の一次史料情報のソフトデータ化,②投資先企業資料の収集,③地方資産家資料の追加蒐集を行った. ①前年度に蒐集した地方資産家(麻生家,毛利家)に関して,アルバイトの雇用を併用しながら,入力作業を行った.このうち麻生家に関しては,前年度に複写画像の加工が終了したものを手作業で入力するものであり,本年度中に研究の基盤部分の入力が完了した.毛利家に関しては,引き続き入力作業を行っている.ただし,アルバイトの雇用は学部生が中心であり,古文書の読解に時間がかかっている.研究遂行者自身が入力を行う箇所も多いが,進捗速度は緩慢に推移している.一方,ソフトデータ化と併せて内容の確認を行っている.現時点の資料の評価は,資料そのものは希少性のある情報が記載されていることは間違いないが,その表記は大きな癖があり,さらに年度ごとに表記が変更されることもしばしばである.そのため,実際の分析にあたっては,慎重な考慮を必要とすることが判明した. ②投資先企業資料の蒐集については,山口県文書館,岩国徴古館,三井文庫,三菱史料館,国立国会図書館,渋沢記念館,附属図書館を通じた複写部物の取り寄せ・相互貸借で積極的な資料調査・蒐集を行った.この作業を通じて,中央企業の資料についてはかなりの実績をあげるに至った.一方で,地方企業資料の蒐集は相対的に手薄な状況である. ③地方資産家資料の追加蒐集では,山口県文書館で複写作業を行った.毛利家および関連諸家の私文書の複写に成功したが,量が多く,未複写の資料が多く残っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた研究時間の確保,および時間の使用効率が,主として外在的な理由により難しく,分析の基礎データ整備が遅れることとなった.また,一次資料の情報表記に癖があり,分析に際して,当初の想定よりも慎重を期す必要性が発生している.今後は積極的なアルバイトの雇用,分析の限界の早期把握,不要資料の選定の厳格化を実施することでカバーしたい.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,①未入力データの早期整備,②地方企業資料の蒐集,③地方資産家資料の追加蒐集を行う. ①に関しては,不要情報の選定の厳格化を実施し,可能な限りの研究の進捗をはかりたい.ただし,アルバイトの雇用による一次資料情報の入力は限界がある.今年度も引き続き,研究遂行者が集中した時間を確保するよう努めたい. ②地方企業資料の蒐集については,義済堂資料の蒐集を中心に行う予定である.目録の複写は当報告書の作成時点で完了しており,複写時間を確保するとともに,資料内容の確認を急ぎたい. ③地方資産家資料の追加蒐集に関しては,毛利家の財政担当者の資料を複写する予定である.量が多いため,可能な限りの複写機会を確保し,来年度末には情報を精査できるよう努めたい.
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Causes of Carryover |
物品費,人件費・謝金,旅費が当初の予定を下回ったため.残額について,次年度は人件費を中心に使用の予定である.
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