2020 Fiscal Year Research-status Report
米国における銀行破綻処理手法の発展に果たした州法預金保険制度の歴史的意義
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17K03851
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
黒羽 雅子 山梨県立大学, 国際政策学部, 名誉教授 (50330733)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 1920年代 / 州法銀行 / 銀行危機 / 支払停止 / ネブラスカ州 / 銀行破綻処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナ禍の影響で、国内における研究資料調査先の研究機関等の多くが利用できず、国立国会図書館の資料にアクセスができただけであった。そのため、論文等の仕上げができず、年度末までに、米国「Federal Reserve Committee on Branch, Group and Chain Banking」が作成を指揮した「Bank Suspensions since January 1, 1921」というタイトルのネブラスカ州法銀行に関する調査結果の原資料(個票)332行分(1328ページ)のデータを解析のできる形にまとめ、これの分析の下準備として、資料解説を作成し、『千葉経済大学論叢』第64号に投稿するにとどまった(近日刊行予定)。 そのほか、ネブラスカ州の破綻州法銀行の清算及び再建の具体的手法の決定にあたっての州議会の資料の分析、及び議会の決定に影響を与えた当該地方における農民運動の歴史的推移と、1920年代以降の農民金融に関する資料の収集と分析を行い、不十分な内容ではあるが論文を執筆した。これについては海外調査による資料の補完は難しいことを考慮し、2021年度前半に限定的な範囲での論文の完成とし、雑誌論文への投稿をすることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ禍の下で、各種の研究機関の利用制限、海外調査不可という中で、本来であれば、2020年中に完成させるべき、本研究課題の総まとめとなる論文の仕上げができない状態となっているため。また、この状況に対応した、研究範囲の修正がうまくできなかったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度を研究の最終年度とするため、海外調査ができないことが予想されるため、補完するべき資料等の収集を現地の研究協力者に依頼するとともに、ネブラスカ州立歴史協会の会員資格を利用した遠隔サービスなどを利用し、研究全体をまとめた論文の総仕上げを行うこととする。 すでに、2021年度の研究を進めているところであるが、今後、1)2020年度に執筆した「資料解題」への補足資料のデータ部分を発表できる形に編集し、発表すること、2)ネブラスカ州の破綻銀行の整理手法の形成過程について、未完成となっている論文を仕上げ、雑誌等へ発表することとする。 後者の作業は、本研究課題のまとめとなる論文となる予定で、追加的に必要な資料等については、収集のための手続きを開始したところである。
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Causes of Carryover |
本研究課題の最終年度の総まとめのため以下の作業と費用が発生するものと予想されるため。 データベース編集のためのソフトウェアの更新費用、および論文完成のための資料調査旅費等(大学図書館及び国会図書館等)、最新の研究を取り巻く状況の情報収集のための書籍費、資料複写費、論文の別刷り費用等。 海外調査が実施可能となった場合は、上記費用を縮減して、渡航費及び現地宿泊費等に充てることとする。
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Research Products
(1 results)