2019 Fiscal Year Research-status Report
The Board Meetings and the Role of Non-Executive Directors at Japanese Companies
Project/Area Number |
17K03868
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
江川 雅子 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60786573)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 社外取締役 / 独立取締役 / 取締役会 / 実効性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社外取締役が企業価値を高めるプロセスを解明するために、取締役会の運営と社外取締役の実効性の関係に焦点を当てる。 第一段階の取締役会の運営に関する調査(取締役会運営状況調査)では、東証一部上場企業13社の協力を得て、平成29年度の取締役会のデータに基づく分析を行った。分析結果は各社に報告するとともに、『旬刊 商事法務』(2196号)に論文として発表した。更に、日本ファイナンス学会(令和元年6月23日、慶応大学)、及びInternational Corporate Governance Society (ICGS)(令和元年10月13日、英国エセックス大学)において研究発表を行った。また、東京経済研究センター、経済同友会、企業研究会、みずほ証券などのセミナーで実務家対象の講演も行った。 第二段階のインタビュー調査については、第一段階の協力企業のうち10社(鹿島、武田薬品工業、JXTGホールディングス、ブリヂストン、AGC(旧旭硝子)、三菱重工業、三菱商事、東京海上ホールディングス、三井不動産、ANAホールディングス)の協力を得て、平成31年2月~令和元年11月にかけて、社外取締役13名及び経営者7名へのインタビューを行った(書面回答、事務局へのインタビューを行った企業もあった)。更に、令和元年夏に米国企業の社外取締役12名のインタビューも行った。7月末にボストン・ニューヨークを訪問、8名に対面で、4名は電話・スカイプを利用してインタビューした。社外取締役の活動や役割に対する考え方、日米の取締役会の運営や社外取締役の役割の違いなどについて有益な情報を得ることができた。 現在、インタビュー調査結果をまとめた論文を執筆中で、2020年11月のICGSで研究発表を行うために応募する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本企業のインタビューは、取締役会運営状況調査に協力して下さった13社の取締役会事務局を通じて依頼したが、予想以上に時間がかかった上に、協力を得ることが難しい会社もあった。また、米国企業の社外取締役の依頼は、Harvard Business School のネットワーク、Women Corporate Directors のネットワーク、外資系投資銀行時代の知人などを利用したが、インタビュー対象者の多様性やバランスも考慮しなければならず、こちらも時間がかかった。更に、インタビューを承諾頂いた後、スケジュール調整に時間がかかったケースもあった。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査では、社外取締役の実際の活動や役割に対する考え方、社外取締役の役割についての経営者と社外取締役の捉え方の違い、日米企業の取締役会の運営や実際の社外取締役の役割の違いなどについて有益な情報を得ることができた。しかし、内容が多岐にわたることに加えて、参考にできるような類似の研究論文がほとんどないこと、定性的なインタビュー結果を検証材料として説得力のある論文を執筆するのが困難であることも手伝って、取りまとめに時間を要している。これから、国内外のいくつかの学術誌に発表できるように尽力したい。
|
Causes of Carryover |
日本企業の社外取締役及び執行担当者、海外企業の社外取締役のインタビューのアレンジに時間を要した。当初の計画では平成30年度中にすべてのインタビューを終えたいと考えていたが、半分以上(海外企業の社外取締役を含む)が平成31年度にずれ込んだ。そのため、全体を分析し、取りまとめる作業、論文執筆、研究発表が今年度中には終わらず、次年度に繰り越すこととした。
|
Research Products
(3 results)