2017 Fiscal Year Research-status Report
地方に本拠地を置いて社員満足を追求する優良中小企業経営者のリーダーシップ研究
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17K03874
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
小野 善生 滋賀大学, 経済学部, 教授 (80362367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 組織変革 / 管理者行動 / フォロワーシップ / 定性的方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績としては、リーダーシップ論、フォロワーシップ論ならびに管理者行動論の既存研究を体系的に整理した著書『リーダーシップ徹底講座-すぐれた管理者を目指す人のために-』を上梓した。内容しては、先行研究を渉猟した調査に基づき、最新のリーダーシップ研究、昨今注目を集めているフォロワーシップ、そして、管理者行動論の主要研究を取りまとめたものである。この文献の母体となっているのは、リーダーシップ論および関連領域の先行研究を渉猟した理論研究である。本研究においては、リーダーシップ論の中でもリーダーについていくフォロワーの視点に立ったフォロワー主体アプローチの研究を中心に渉猟している。なお、フォロワー主体アプローチに加えて、関連性の深いフォロワーシップに関しても詳細に渉猟している。 次に、調査の進捗については、地元の滋賀およびかねてからの調査先の高知の酒造業者へのフィールド調査を実施中である。滋賀県においては、かねてからの協力企業5社に加えて、新たに1社を追加。高知においても、どうように調査協力先が1社増えて、比較研究に足るフィールド・データを取得できる見通しがたった。また、調査データの分析においては、すでに調査が終了した企業からデータを分析している。具体的な成果に関しては次年度以降に公表する見込みである。 最後に、メキシコ合衆国のグアナファト大学のゴンザレス教授との共同研究に関しては、その第一弾の研究成果である日本とメキシコのリーダーシップ研究の比較検討に関する研究論文“Cross-Cultural Comparison of Leadership Styles on Japan and Mexican Business”を仕上げることができた。現在、査読審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している理由としては、第一に先行研究の検討に関しては図書として公刊することができた。この点では、当初の計画以上に進捗している。ただし、フィールド調査の結果を論文として公刊できなかった点、そして、グアナファト大学のゴンザレス教授との共同研究は仕上がったものの投稿中で査読結果待ちである。 これらの点を総合して判断すると、おおむね順調に進展していると結論づけることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策としては、まず、すでに終了した事例から順次データ分析の段階に移行していく。次に、現在継続中(滋賀県の酒造業者2社)ならびにすでに内諾を得ている中小酒造業者調査先(高知県1社、和歌山県1社)への調査を実施する。 データ分析が完了次第、事例研究として論文を公刊していく。また、公刊された論文は研究書として取りまとめ公刊を目指す。 また、酒造業の調査の前に実施した「おもてなし経営企業選」受賞企業の自覚事例研究に関しても、すでに公刊した調査結果を比較分析した論文の公刊、そして、研究書の公刊にっ向けて取り組む。 最後に、メキシコ合衆国グアナファト大学のゴンザレス教授との共同研究については、第二弾のメキシコと日本の酒造業者の国際比較研究に基づく論文を仕上げ海外ジャーナルへの投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
使用金額について、当初の計画よりも少額で遂行されたため次年度仕様額が生じた。
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