2017 Fiscal Year Research-status Report
The Characteristics of IPOs and Corporation in Islamic Countries of ASEAN
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17K03882
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鵜崎 清貴 大分大学, 経済学部, 教授 (20232811)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 新規株式公開(IPO) / マレーシア証券取引所(MSE) / アンダーライターの名声 / アンダープライシング / イスラム法準拠企業 / イスラム法非準拠企業 / ASEAN |
Outline of Annual Research Achievements |
ASEAN(Association of South‐East Asian Nations:東南アジア諸国連合)は,過去10年間に高い経済成長を見せており,今後,世界の「開かれた成長センター」となる潜在力が,世界各国から注目されている。本研究では,その中で多くのイスラム教の人が住み,名目GDPでシンガポールの次に成長しているマレーシアを取り上げ,新規株式公開(IPOs)の際に生じるアンダープライシングについて分析を行う。 マレーシア証券取引所(MSE)における新規株式公開に関する様々な研究がなされている。しかしながら,それらの多くは,法律の異なるイスラム法準拠企業と非イスラム法準拠企業を区別せず分析を行っている。そのため,本研究ではこれらを区別し比較することにより,より明確な分析を行なう。近年イスラム法準拠企業は,イスラムの人々が国際資本市場に参加するようになったため,これらの市場においてより重要になってきた。また2011年末において,MSEに上場した企業の89%は,イスラム法準拠企業であり,イスラム教の投資家であるか否かに関わらず,これらの企業はマレーシアの市場に大きな影響を及ぼしている。 本研究では,MSEにおいて新規株式公開する企業のアンダープライシングの存在を明らかにし,その原因を分析する。 本研究では,2000年-2011年のマレーシアにおけるイスラム法準拠企業とイスラム法非準拠企業の新規株式公開(IPOs)時におけるアンダープライシングが,存在するのか,もしそうであったら,どのような要因によって決定されるかを検討した。そこでは,説明変数としてアンダーライターの名声,産業の種類,そして超過募集を用いて分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nashirah Abu Backar and Sofian Rosbiと2本の研究論文を出すことができた。
“Cryptocurrency Framework Diagnostics from Islamic Finance Perspective: A New Insight of Bitcoin System Transaction”(with Nashirah Abu Backar and Sofian Rosbi ), International Journal of Management Science and Business Administration, Vol. 4, Issue 1, 19-28,2017.
“Islaamic Finance Operational Transaction Framework: A New Insight Of Islamic Finance Implication in Malaysia and Japaan” (with Nashirah Abu Backar and Sofian Rosbi ), International Journal of Economics, Commerce and Management, Vol.V, Issue 11, 365-378, 2017.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,アンダーライターの名声,産業市場の種類,市場の種類,そして超過募集を説明変数として分析を行っているが,決定係数が28.3%であり,本研究のモデルではアンダープライシングにより影響を及ぼしている要因を十分に特定することはできなかった。また,イスラム法非準拠企業のIPOs企業数が少なく,十分にイスラム法準拠企業と比較分析できたとはいいえない。 今後世界でイスラム法準拠企業がより多く創業・成長し,IPOsを行う機会が増えると考える。今後は,インドネシアやタイ等のイスラム金融の経済国家の研究を加えてサンプル数を増やし,イスラム法準拠企業のIPOsとイスラム法非準拠企業のIPOsとを比較分析したいと考える。
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Causes of Carryover |
大学のイベントとの調整が難しく,現地調査に行くことができなかった。 本年度には,現地調査(マレーシア)を行う予定である。 また,物品費に関しても,データベースの購入を予定している。
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