2018 Fiscal Year Research-status Report
The discretion for human capital investment and the corporate value
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17K03887
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮川 壽夫 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (30584049)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人的資本 / コーポレートガバナンス / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コーポレート・ファイナンス理論を拠り所とし、企業の人的資本投資における競争優位性を実証的に明らかにするため、イノベーションを目指す研究開発型企業において、人的資本投資に対する柔軟な意思決定がイノベーションを実現する上で価値を創出し、結果として企業価値拡大の予見性を高める、という仮説を多角的に検証することです。 本研究の計画においては、2018年度を第2フェーズ、2019度を第3フェーズと位置付けていますが、本年度の目標は、データベース構築と情報収集ならびにアップデイト、さらに仮説の構築が主体となりました。当フェーズにあたって主に必要なデータは、(1)企業財務に関するデータ、(2)企業の株主構成に関するデータ、(3)株価データ等です。いずれも回帰モデルの実証において説明変数、被説明変数として有効に用いられ、直近20年間程度のパネルデータとして構築する必要があります。これらは、「日経NEEDS Financial-QUEST」を利用してそれぞれ抽出しました。当初の予定では「SPEEDA」を使用する予定でしたが、上記データベースでの取得が可能となりました。 また、一旦上記データベースを構築した上で自らが重要な部分について手作業によるチェックを行い、目視による作業を行いました。 その結果、データベースの構築は計画通りに進行し、当該研究に使用する2000年~2018年のデータベースを完成、検証モデルもパイロットモデルとして検証を行い、予想通りの結果を得ることとなりました。また、仮説構築に関しては、ソーシャルキャピタルという概念を導入し、レビュー主体とする論文二本を完成させました。 研究は当初の計画通りに進んだとともに、大きな付加価値を得ることとなりました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの構築は計画通りに進行し、当該研究に使用する2000年~2018年のデータベースを完成、検証モデルもパイロットモデルとして検証を行い、予想通りの結果を得ることとなりました。また、仮説構築に関しては、ソーシャルキャピタルという概念を導入し、レビュー主体とする論文二本を完成させました。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、一旦結論に至った分析結果について、ロバストネスを行ったうえで、研究スコープを拡大するため、その解釈をさまざまな文献に基づき検討し直します。そのうえで、再び機関投資家と企業へのインタビュー調査を行い、解釈の妥当性について情報を獲得していきます。これらは当初の予定通りですが、さらに、今回、新たに導入したソーシャルキャピタルという概念を仮説構築に取り入れ、検証方法について検討を重ねていく方針です。
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Causes of Carryover |
未使用額は14,540円と微細であり、消費税等による誤差に過ぎない。
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Research Products
(2 results)