2017 Fiscal Year Research-status Report
グローバルイノベーションを牽引するITフレームワークの実証的研究
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17K03888
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
太田 雅晴 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (00168949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 宇 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (60445004)
川村 尚也 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (80268515)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イノベーション / サプライチェーン / イノベーションコミュニティ / IT / システム開発 / グローバルオペレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今の急速なグローバル化の中、グローバル経営をいかに合理的・効率的に行うかが重要課題であり、そのためにはIT(Information Technology)の積極的な利用は欠かせない。しかし、我が国企業や我が国政府のそれへの対応遅れが危惧されている。IoTにしても、Industry 4.0に対応する政策にしても、米国やドイツに優位な政策立案には至っていない。本プロジェクトでは、グローバルサプライチェーンとその上に構築されるイノベーションコミュニティを必要十分に機能させて成し遂げられるグローバルイノベーションを支援するITツールおよびIS(Information System)の現状を調査することが、まず最初の研究目的である。本年度は、以前から仮説として設定していたフレームワークに基づいて、海外企業1社、外資系日本法人1社、日系企業6社、具体的には、海外企業:SCG-Logistics(タイ)、外資系日本法人:Amazon.com、日系企業:Excedy, 東洋紡、ダイセル、東レ、ユニチカ、最上インクスを調査した。それらの調査から有益な示唆を得た。具体的には、日系企業においては、日本のIT技術、技術開発の現況、人材不足の現況の中では、アメリカ、ドイツなどと同じ方向で競っても、日本の強みを生かせないという点である。そのような中で、グローバルサプライチェーンという点で、本研究で注目しているのは、デンソーの1/Nという考え方に、キャタラーのサンダーバード計画である。現在、これらの個別企業の推進する日本の強みを生かしたグローバルサプライチェーン、そのためのITのあり方などを含めて、調査フレームワークの再検討を行っている段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は、グローバルサプライチェーンのタイプとして既に提案しているものに基づいてヒヤリング調査を行っている。今後は、5年前にYooによって提言されたInnovation Communityのタイプを調査結果に基づいて訂正が必要となり、現在、その検討を行っている最中であり、平成30年度中にグローバルサプライチェーンタイプの改訂を行いたい。 調査については、概要で述べた通り、海外企業1社、外資系日本法人1社、日系企業6社について調査を行った。具体的には、海外企業:SCG-Logistics(タイ)、外資系日本法人:Amazon.com、日系企業:Excedy, 東洋紡、ダイセル、東レ、ユニチカ、最上インクスである。また、日本商工会議所、NEC、富士通などにもヒヤリング調査を行った。ヒヤリングの際のプロトコルは、大枠を先述のグローバルサプライチェーンのタイプに基づいて共同研究者で検討したが、本年度は、詳細は規定せず、まずはヒヤリングを優先して行った。システム開発方法論については、多様な開発方法論が混在していて、その方向性についてはまだまとめられていないが、IoTやIndustry 4.0の国際的な動きに対してどのような提言が行われているかを注視している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まずは、ヒヤリング結果を整理して、ヒヤリングのプロトコルを詳細化し、それに従ってさらなる調査が必要となる。また、そろそろIoTやIndustry 4.0などの動向が見えつつあることから、それらを中心としたISとOperations Managementの関係性について検討を深めていく必要があると感じている。現在、中国のHuawayに、物流企業などの調査を行うことも計画しており、それらから新たな知見が得られると期待している。 また、得られた成果を国際学会で報告して、海外研究者の評価を得ることが重要で有り、それを計画している。
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Causes of Carryover |
2017年度に出かける予定の国際学会が健康上の理由で行けなかったこと。2018年度は、それを執行する予定である。
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Research Products
(6 results)