2018 Fiscal Year Research-status Report
製品事故・リコール情報の収集・処理・伝達・学習プロセスに関する経営学的研究
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17K03892
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
星野 広和 國學院大學, 経済学部, 教授 (50369162)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 製品リコール / 製品リコール情報 / リコールの二面性 / ゼロディフェクツ / 組織学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、企業の自主的な製品安全対策に焦点を当て、製品品質マネジメントにおけるリコール情報の有効性に関する研究を行なった。具体的な研究成果は次の3点に集約される。 (1)製品リコールについて消費生活用製品と自動車に区分し、それぞれのリコールプロセスを踏まえ、メーカーおよび流通業者の報告義務はあるものの、重大な製品事故を除いて自主的なリコール(実施の判断)が行われること。 (2)自動車の事例をもとにリコール増加の要因について分析し、製品リコールは企業経営(品質マネジメント)に対して、①原因となる品質欠陥問題が増えたというマイナス面、②リコール判定基準が厳しくなったというプラス面、の2面性があること。 (3)製品リコール情報が品質マネジメント、つまり品質の持続的改善に向けた組織学習のためのインプットとしての側面を有すること。その際、トヨタ自動車の事例をもとに、リコール問題に関する社会的要請が企業の主体的にどのような相互作用をもたらしたかを踏まえた。 また、経済産業省の製品安全対策優良企業表彰に参加し、①企業による主体的な情報収集と分析、②組織的な情報共有と学習、③品質重視の組織文化の醸成、に関する具体的な事例についての情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
製品リコールが企業の自主的な判断のもとでなされること(製品安全対策の一環)について、財の性質(消費生活用製品と自動車)を踏まえて明らかにし、リコール情報を品質マネジメントに効果的に組み込んだトヨタ自動車の事例を踏まえ、組織学習の視点からその有効性についての可能性を示唆したように研究成果を挙げることはできた。 また、経済産業省の製品安全対策優良企業表彰に出席し、優良企業の実施例を複数聴講できたように、平成30年度前期の研究計画を消化することはできた。 しかしながら、令和2年度の國學院大學経済学部の学部改組とカリキュラム改定に向けた会議やミーティングもあり、当初予定していた後期の研究計画を十分遂行することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた平成30年度後期の研究計画を速やかに実行し、次いで平成31年度(令和元年度)に予定している研究を着実に推進していく。
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Causes of Carryover |
(1)人件費(データ入力・資料整理)の必要性がなかったため (2)複写費および通信費の必要性がなかったため (3)新聞および雑誌について学内データベースを利用したため (4)学会発表がなかったため
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Research Products
(1 results)