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2022 Fiscal Year Research-status Report

M&A実施企業の組織マネジメント:トップの関与が研究開発活動にもたらす影響の解明

Research Project

Project/Area Number 17K03893
Research InstitutionJissen Women's University

Principal Investigator

篠崎 香織  実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (50362017)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2024-03-31
Keywordsサービス化戦略 / 顧客価値 / システム化 / アナログ技術 / 製品とサービスの統合
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、M&A実施企業がどのような組織のマネジメントをしているのかを、研究開発部門に注目して明らかにすることである。M&A実施後の組織では、課題の統合と人の統合の両方が重要であることが先行研究により明らかにされている。M&A実施企業の半数以上が利益を出せていないと言われる中、本研究では、それまで主軸であった事業からM&Aを通して新規参入した事業に軸足を移すことに成功し、利益を出してきた企業を分析してきた。
分析対象企業は、主に医療用やグラフィックス用の高付加価値モニターを開発、製造しているメーカーである。医療用モニターを病院内の必要なあらゆるところに提供することを目指し、後発で参入した医療用モニター分野をM&Aによって強化し、モニターからモニターを含む映像システムも提供できる企業に成長した。その際、被M&A主体の出身の開発者の自律性を尊重するとともに技術力を活用し、モニターのラインナップの拡張とモニターや映像システムの導入に関するコンサルティング、機器のセッティング、保守、カスタマイズなど、製品やシステムを支えるサービス事業の参入を果たした。モノづくりとサービスでは必要な資源の質が異なるため、これらを手掛けるメーカーが原価を抑えることは難しいと言われる中、当該企業はそれを実現している。
その理由を分析した結果、次のことがわかった。①特定分野で使用する多様なモニターを生産しており、スケールメリットを享受できる。②手掛けているサービスは、モニターやシステムの使いやすさ(顧客価値)を促すものである。③サービス同志が相互に関連性をもっている。製品とそれに必要なサービスの特徴は、光や温度を扱う際に不可欠なアナログ技術を使っていることに起因していると考えられ、今後はアナログ技術を使用する同様のケースについて分析することが必要となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

純粋な製造業とサービスも行っている製造業では、後者のほうが利益が出にくく、提供しているサービスの数が影響していることが先行研究によって明らかにされている。本研究では、サービスの数よりもサービス同志の関係に注目し、関連性があるサービスであればコスト高は抑えられることをケース分析から明らかにした。
この点をさらにケース分析を積み重ねることによって検証していく。企業は買収を通じてサービス分野の事業を獲得することがあるため、このような企業を分析の対象にしていく。

Strategy for Future Research Activity

M&A実施後に編成された組織がどのようにマネジメントされているのかを明らかにするためには、M&Aにいたる経緯に関する情報はもとより、研究開発の対象および、その実施体制を捉える必要がある。そのため、引き続きケース分析を行う。
上記の通り、アナログ技術を使用する製品や製品群(システム)は、顧客が使用するところまでを想定したサービスが、顧客価値をもたらす。そして、提供するサービス同志が独立しているのではなく、関連性をもつことでコストを抑えることができる。この点をインタビュー調査から明らかにしていく。現在のところ、東京と京都にある企業での実施を予定している。

Causes of Carryover

コロナウィルス感染症の影響を受けてインタビュー調査の実施ができず、図書費や消耗品などを中心とした支出となったため。
2023年度は、インタビュー調査を実施するため、交通費、インタビューデータのテープ起こしなどの支出を予定している。また、積極的に学会参加をするとともに、研究成果を論文にまとめる。英文校閲にも研究費を使っていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] How Acquisitions Change Organizational Structures, Product Portfolio, and Market Positions2022

    • Author(s)
      Kaori Shinozaki, Akiya Nagata
    • Journal Title

      INTERNATIONAL JOURNAL OF ENGINEERING RESEARCH & TECHNOLOGY (IJERT)

      Volume: 11, 09 Pages: 328-332

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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