2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K03900
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
風間 信隆 明治大学, 商学部, 専任教授 (60130803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
H・R Bungsche 関西学院大学, 国際学部, 教授 (10434903)
清水 一之 明治大学, 経営学部, 専任准教授 (80515081)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多元的企業統治 / 共同決定 / 監査役会 / 労使関係 / 経営協議会 / 機関投資家 / 自動車産業 / ドイツ的経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画では,ドイツ固有の多元的企業統治モデルと労使関係が1990年代以降のグロバル化の進展,さらには新自由主義の台頭の下で進められた労働市場改革(例えば「ハルツ改革」)によって大きな変化を余儀なくされているとの仮説に基づいて,その実態の解明を目指すことを研究の主たる目標と定めてきた。しかし,研究過程で,その具体的事例として,ドイツが最も強みとする製造業,なかでも自動車産業における多元的統治構造と労使関係,なかでも経営協議会の役割に関心を持つに至った。こうした多元的企業統治とドイツ固有の労使関係がドイツの自動車メーカーのEV(電動化)戦略にも反映されている。 今年度において,研究代表者である風間は多元的企業統治モデルの具体的展開としてドイツ自動車産業におけるEV化の流れが一気に進んだ背景について考察をするとともに,ドイツのデジタル・トランスフォーマーション(DX)がドイツの製造業においてなぜ取り組まれ,どの程度まで実践されているのかの解明を目指し,その研究成果の一部を公表してきた。また研究分担者である清水一之もドイツの機関投資家の異質性と特有の労使関係に注目することでドイツ特有の企業統治の実践を明らかにするためにメルク社のケーススタディを通して明らかにしてきた。また研究分担者であるホルガー・ブングシェはGERPISAの会議で日本の自動車メーカーのEV化の戦略的展開についてその研究成果の一部として発表してきた。これらの研究成果は,研究最終年度のドイツ調査を通じて,さらに掘り下げて分析を行い,ドイツ固有の多元的企業統治モデルを維持してきた背景としてドイツの労使関係の役割についての分析を深めることに生かしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,2020年3月にドイツの訪問調査を行うことでヒアリング対象との調整も済ませ,航空券ホテル予約,鉄道パスも購入した後で,急遽,新型コロナウィルス感染拡大の影響により中止せざるを得なかった。この調査は2021年度に研究を延長することを承認頂いたことで,さらに時間的余裕の確保でじっくり調査手法を再考しながら進めることとしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,残りの研究費の最も効率的な使用法を考えながら,当初の研究目的と成果の達成のために,3年前の原点にもう一度立ち返り,研究チーム内でもう一度研究計画を点検し,もっと成果を上げられると思われる計画に基づいて研究を強力に推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染驚異の高まりにより,急遽,ドイツ調査を中止せざるを得なかった予算残額は2020年度においてドイツ調査に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)