2019 Fiscal Year Research-status Report
製品批評が生産者の認知地図に与える影響に関する実証研究
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17K03902
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉成 亮 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (00509135)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 製品評価 / 批評 / 批評家 / 市場の形成 / 知識共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、本来、製品の批評家の製品批評が(a) 生産者の認知、(b) 生産者の行動、(c) 生産者の結果に影響を及ぼし、生産者が自らの認知地図(Neisser 1976)を書き換えるという仮説を立て、検証することである。 この分野の代表的な研究の1つであるZuckerman(1999)では、クリティクスがある種のジャンルの製品を批評するとき、その批評はそのジャンルの中心的な企業の製品を高く評価する一方で、そのジャンルとは異なるジャンルの製品を提供する企業の製品をクリティクスの評価から外す傾向があることなど、批評が市場の形成に影響を及ぼす(Zuckerman1999)ことが実証されている。またこの研究と類似する研究も同様の指摘をしているだけでなく、本研究の研究代表者(2017)も、医薬品など異なる市場を対象にしながら、同様の結果を実証し、同様の結論を得、同様の内容を論文として提出している。 昨年度より、刃物製造業者の中の、アウトドアナイフという業界を対象に絞り、国内のアウトドアナイフ製造業者に対する聞き取り調査と雑誌等の調査による実態調査を行ってきた。 その結果、部分的ではあるものの、クリティクスの製品批評が(a) 生産者の認知、(b) 生産者の行動の関係を実証することが出来、その結果の一部をSharing Society International Conference 2019 in Bilbao,および、IV-RISE Reunion Iberoamericana de Socioeconomica 2019 inHerediaという国際学会にてこの研究成果を報告している。これらは本研究の実績として挙げることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究は現在まで、おおむね順調に進んでいる。今年度は理論的及び実証的両側面で、これまでの研究をまとめ、国際学会報告と論文の提出が目標であった。今年度はその目標の一部は達成することができている。 2つの国際学会報告のうち、1つの学会報告は研究代表者が活動の主軸としている、組織社会学および経済社会学の分野で代表する学会 the Society for the Advancement of Socio-Economics (SASE) であった。そのため、本研究の報告をアクセプトされたこと、さらにこの成果を報告でき、多くの聴衆からコメントを得たことは本研究にとって有益であったし、この研究成果が一定の評価を得たことの証でもある。 ただし論文の提出まで進めることができなかったこと、報告予定の国際学会がコロナウィルスの影響で開催されず、学会報告できなかったことが予期していないことである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針は、予算の執行の延長申請が受け入れられたものの、昨年度の後半に執行予定であった予算と非常に限られている。それゆえ、主に2点を目標に今後の研究方針としたい。 1つが国際学会での報告である。コロナウィルスの影響でキャンセルされる学会も多いものの、Virtualな学会も含め、研究代表者が学会活動の主軸している国際学会で報告することが目標である。 もう1つは、研究代表者が学会活動の主軸している学会に関連した学会誌にて論文を提出し、アクセプトされるまでもっていくことが目標になる。可能な限り早期に論文を仕上げ、論文提出の実行に移したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響で、本来、報告が学会からアクセプトされ、実際に報告を予定していたが、その国際学会自体が延期もしくは中止されることになった。そのため、オンラインも含め、再度、コロナウィルスの影響を回避できる報告し、視聴する学会を吟味し、参加あい、報告を行うことが計画となる。
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Research Products
(2 results)