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2018 Fiscal Year Research-status Report

芸術文化組織による鑑賞者および支援企業との新たな関係性構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K03903
Research InstitutionNanzan University

Principal Investigator

川北 眞紀子  南山大学, 経営学部, 教授 (60440806)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 薗部 靖史  東洋大学, 社会学部, 准教授 (80456285)
堀田 治  南山大学, 経営学部, 講師 (00805632) [Withdrawn]
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords鑑賞者行動 / 関与 / 芸術支援 / コミットメント / アンバサダー / CSR
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、Study.1と位置づけた「芸術文化組織と鑑賞者の関係性を捉えた研究」についての成果を発表した。1つ目は、芸術文化組織が鑑賞者を対象としたボランティア組織を結成しており、このような広報活動への協力を求めていくプログラムについての研究である。昨年度、宗次ホールの「クラシック音楽広め隊」というボランティア組織のメンバーへの郵送調査を行った。本年度は、そのデータを分析したものを学会報告と論文投稿を行い、査読論文として採用された。そこで明らかになったのは、ボランティア動機をもつ顧客がアンバサダー・プログラムに参加することで、ホールへのコミットメントを高めていく姿であった。
2つ目は、クラシック音楽の鑑賞者への定性調査についても、関与対象の違いを元に類型化するフレームを提示し、紀要論文として投稿を行った。クラシック音楽の聴衆が多様な動機でコンサートに訪れていることが明らかになった。
また、Study.2として位置づけた「芸術の支援企業」研究は、企業の芸術支援についてのケーススタディである。芸術支援を決定する条件や要因を明らかにすることで芸術支援の意義を見出そうとするものである。本年度はメセナ協議会や主要な企業7社へのインタビュー調査を行うことができた。これらの企業は、資生堂、サントリー、トヨタ自動車、ベネッセなど、芸術支援に積極的な企業への調査を実施することができた。このインタビューを元に、芸術支援の形式の類型化や、企業がなぜ芸術支援をするのかについて、分析フレームを提示する。
さらに、こういった芸術支援が消費者の知覚にどのような影響を与えるのかについての定量調査を検討した。文献レビューにより、これまでのスポンサー研究が捉えてきた効果について、多様な視座を獲得することができ、調査のための仮説構築や測定についての検討を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

30年度は、Study.1の定量調査に関して、昨年度までに行った調査の分析を終え、発表することができ、学会報告と査読論文という成果が達成できた。さらに、定性調査についても論文化することができている。アウトプットは予定よりも多くできている。鑑賞者に関する研究であるStudy.1は、ほぼ目処がつき、あとは印刷中の査読論文の発行を待つだけである。
Study.2については、企業へのインタビュー調査を進めることができた。7社の芸術支援活動の現場に足を運び視察をし、現場の方へのインタビュー、そして担当部署の方やトップの方へのインタビューを行うことができた。これだけの豊富な定性データを獲得できたことは進んでいるといってもいいだろう。
さらに、芸術支援を消費者がどのように知覚するのかについての定量調査の準備は概ね終わったため、来年度、パネルを用いた実査が可能となっている。
これらのことから概ね順調であるといえるだろう。

Strategy for Future Research Activity

Study.1の定量研究に関しては、投稿論文の発行を待つだけである。
Study.2の企業の芸術支援に関する研究では、すでに行った企業へのインタビュー調査で得られた豊富なデータを元に、企業の芸術支援の現状についてのケーススタディを行う。そこで、芸術支援の意義や効果について整理することで日本の芸術支援の姿を浮き彫りにしたい。これについては、学会発表と論文投稿を予定している。
さらに、芸術支援が消費者の知覚にどのような影響を与えるのかについての定量研究を進める。仮説の構築とともに、その実査を調査パネルを用いて実施する予定である。その後、分析の後、国際学会での発表を予定している。
現時点での課題は、企業の芸術支援が実際に企業の中にどのように影響するかについて、企業内のデータが入手しにくい点である。これについては、パネル調査などで対応できないかといった点を検討している。

Causes of Carryover

次年度に1000人規模のパネルを使った定量調査の実査を行う予定である。これに30万円以上は必要となる。また、モントリオールでの学会にエントリーし国際学会発表を行う予定でありその参加費用も必要となる。最終年に資金需要があるため、今年度の経費を切り詰めて次年度へと繰り越した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] クラシック音楽の鑑賞者行動の定性研究―関与対象の違いによる類型化とマーケティング対応―2018

    • Author(s)
      川北眞紀子
    • Journal Title

      南山経営研究

      Volume: 33(2) Pages: 235-253

    • Open Access
  • [Presentation] メセナによるブランドの多型化2019

    • Author(s)
      薗部靖史
    • Organizer
      日本マーケティング学会リサーチプロジェクト合同研究会(春のリサプロ祭り)アジア・マーケティング研究報告会(青山学院大学)
  • [Presentation] 企業が支援する芸術と製品ブランドの類似性に関する定量調査2019

    • Author(s)
      薗部靖史・川北眞紀子
    • Organizer
      日本マーケティング学会 アジア・マーケティング研究会(共立女子大学
  • [Presentation] ボランティア動機が文化施設へのコミットメントに及ぼす影響2018

    • Author(s)
      薗部靖史・川北眞紀子
    • Organizer
      日本マーケティングサイエンス学会 第103回研究大会 (大阪経済大学)
  • [Presentation] クラシック音楽の鑑賞行動―関与対象の違いによる類型化とその要因2018

    • Author(s)
      川北眞紀子
    • Organizer
      第91回 日本社会学会大会 (甲南大学)

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Published: 2019-12-27  

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