2019 Fiscal Year Research-status Report
Introduction of Mindfulness and Compassion to Management / Organizations: Possibilities, Issues and Contributions of Japan
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17K03906
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
飯塚 まり 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (60412805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 豪 同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
中川 吉晴 同志社大学, 社会学部, 教授 (30340475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウェルビーイング / マインドフルネス / リーダーシップ / ビジネス倫理 / SDGs / 国連グローバルコンパクト / アフリカ / ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
1、日本のマインドフルネス:査読付き論文などを3点発表した。そのうち2点は、日本古来のマインドフルネスや、潜在意識を、いかに日本文化の中でリーダーシップに関連させていくかということで欧米から入ってきた、「心の筋トレとしてのマインドフルネス」のパラダイムとは別のものである。ユング心理学や、インドの宗教などにも関連しているが、「自由な人間」を中心として世界を考えていくうえで、そのうえでのリーダーシップという意味で大変興味深い。今後は、この「違い」について、日本からの発信を目指す。論文にはなっていないものの、「マインドフルネスの光と影」という公開シンポジウムを行った。そこで、現在、ビジネスの中で語られているマインドフルネスの危うさをあぶりだし、今後、どうすれば、日本のリーダーシップや、組織開発の中で取り扱うべきかについての指針を得た。 2.マインドフルネスと社会(サステナビリティ):また、「世界観」という面では、数多くのSDGsや「良心の経営」に関連する公開セミナーを行った。これは、欧米においては、マインドフルネスが、社会運動とも関連してきており、サステナビリティの考え方を、内的に納得するプロセスとも呼応する。また、TICAD7などのアフリカ関連の会議(サイドイベント)にも積極的に参加し、国連グローバルコンパクトとも協力したり、関連ウェブサイトの構築を行った。また、サステナビリティに関連して、国際学会でも、6回(南アフリカ、オーストリア、スウェーデン、日本)の発表を行った。また、国内学会での発表(英語)を行っている。また、一般に向けて10回のセミナー、講演を行った。 3.アフリカ、ヨーロッパ各国とのネットワークの構築:南アフリカ (プレトリア大学)、ヨーロッパ(ドイツ チュービンゲン大学、ベルリン自由大学、オーストリア、スウェーデン、イギリス ケンブリッジ大学)ネットワークを築いた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度には、本プロジェクトは、3点で大きく飛躍した。 1.日本のリーダーシップの在り方、世界観について大きく理解を深めた 一般社会人向けの啓もう活動とともに、教育プログラムを、大学生、MBA留学生(英語)、MBA社会人と展開している。 2.マインドフルネスから見える社会の在り方、サステナビリティとつながり、SDGsなどを自分ごととし、深めるという意味で、「外の世界」と「うちの世界」をつなげることができた。これも国連グローバルコンパクトのSDGsタスクフォースの中に入り、積極的に社会や企業に対する活動を展開している。ビジネス倫理ということで、英語での海外留学生を巻き込んだ研究活動、ウエブの展開などを行っている。 3.先に述べたような国際連携を積極的に行った結果、Humanistic Management Networkという国際連携(経営の倫理的、人道的、サステナビリティを目指す)とつながり、国際会議を日本で行う計画をするまで深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、以下の三つの流れをまとめていくことになる。 1.コロナ後の世界とウェルビーイング:全世界がコロナによって、ストレスを受ける中で、マインドフルネスや、エモーショナルインテリジェンス、レジリアンスなどの要素に、注目が集まっている。新しいコロナ後の世界の中で、幸せな働き方はどうすればよいのか? テレワークの実態も含め、今までの「日本の世界観」をももとにして、これを本としてまとめ、また、ウェブで広めていくことを考えている。 2.ビジネス倫理:マインドフルネスは、心理学、哲学、倫理学とも深くかかわる。昨年のアフリカ、ヨーロッパでの哲学者たちとの対話を通じ、また、サステナビリティやSDGs関連の活動を通じで、マインドフルネスを社会化する必要を感じた。コロナ後の世界では、ステークホルダーをより重視した資本主義が重要になる。ステークホルダーを中心に考えるビジネス倫理をまとめていきたい。 3.国際的ネットワーク:本年は、現状の3で述べた、国際会議を日本で行う予定であったが、6月時点においてもコロナ禍の影響で国際会議を実行することはほぼ不可能に思われる。しかしながが、今後の国際社会の中でも、人間性に根差したマネジメントは、より重要性を増すことが考えられる。そのため、この国際ネットワークをより発展させていく。
なお、活動の1(ウェルビーイング)と、2(ビジネス倫理)をつなぐものとして、京都の老舗の研究をおこなっていく。また、1~3の発信をするために、ウェルビーイング研究センターのウェブの整備などを積極的に行う。
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Causes of Carryover |
2019年は、同志社大学から、ドイツのチュービンゲン大学に約3か月にわたって派遣されたため、ヨーロッパの多くの国で国際会議での発表を行ったものの、その費用は、自費および大学からの派遣費用によって、まかなわれた。また南アフリカでの学会発表は、大学からの補助を使うことができた。ウェブ構築などについても、別の学内補助を得たため、予定よりも使用額が少なくなった。 また、海外出張が多かったため、京都の老舗企業の研究などに予定していた費用を2020年度に回すことになった。 老舗の研究以外に、2020年には、ウェルビーイング研究センターのウェブの構築や、出版のための編集補助や校正費用を予定している。
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Remarks |
SDGs推進のための留学生と日本を結ぶためのサイト
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Research Products
(16 results)