2020 Fiscal Year Research-status Report
Introduction of Mindfulness and Compassion to Management / Organizations: Possibilities, Issues and Contributions of Japan
Project/Area Number |
17K03906
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
飯塚 まり 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (60412805)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 豪 同志社大学, 心理学部, 教授 (90150557)
中川 吉晴 同志社大学, 社会学部, 教授 (30340475)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ウェルビーイング / マインドフルネス / リーダーシップ / ビジネス倫理 / SDGs / 国連グローバルコンパクト / 国際連携 / オープンイノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍により、マインドフルネスを含有する「Well-being」に対する認識が広まった。また、テレワークの広がり、コロナ禍の女性への影響と働き方改革の深化、コロナ鬱への対応としてのレジリアンスとマインドフルネス、SDGsの進展、新しい資本主義の形の模索とウェルビーイング、コロナ禍によって影響を受けた外国人の問題等などである。その流れを受けて、2020年度の研究は、一挙に拡大した。トピックは以下。 1)テレワークとウェルビーイング調査:新しい働き方は幸せに寄与するのか? 2)ウェルビーイング教育の実装調査:コロナ禍のストレスに対応するため、大学教育は、どうあるべきか? 3)コロナ禍の就活とウェルビーイング調査:どうしたら幸せな就職ができるのか? 4)小冊子の刊行:『ウェルビーイング研究シリーズ』(1~5)ウェルビーイング研究センターの拡充 5)ダイバーシティマネジメント(女性活躍推進)とウェルビーイングな働き方の調査:国連グローバルコンパクトの日本組織であるグローバルコンパクトネットワークジャパン(GCNJ)とスタート 6)コロナ禍のSDGs調査:GCNJの毎年行っている日本企業300社超の参加するSDGs調査に協力し、今後の方向性としてウェルビーイング経営について考える。7)コロナ感染予防アプリ:ウェルビーイングの一環として企業とともにアプリの作成と改良を行う8)留学生とウェルビーイング調査。また、これらの背景として、かねてから研究中の「日本文化」や「オープンイノベーション」との関連を探った。 研究実績の詳細は、次項目で述べるが、1)国連での発表、2)国際学会を含む学会発表3件、3)国際学会の日本支部の設立、4)ウェルビーイング教育の大学教育への波及、5)ウェルビーイング研究シリーズの発刊、6)論文、著書としての発表、7)産学連携などを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、マインドフルネスを含有する「Well-being」に対する認識が広まった。その流れを受けて、2020年度は、多様なプロジェクトを行った。 1)テレワークとウェルビーイング調査:一回目の緊急事態宣言直後に2000名以上のサンプルをもとにウェルビーイングな働き方とテレワークの調査を行い、学会発表を3件行った。2)ウェルビーイング教育の実装調査:コロナ禍のストレスに対応するため、学部生のみならず、京都大学コンソーシアムにおいてウェルビーイング教育の実装を行い、その成果について、全国の大学関係者にFDを行った。3)コロナ禍の就活とウェルビーイング調査:コロナ禍中で就活をする学生を応援するために、合計4回の公開セミナーを行い、調査した。4)小冊子の刊行:『ウェルビーイング研究シリーズ』(1~5)冊子を発行(ISSN:2436-3022)。合計著者・寄稿者数は、27名にのぼる。また、この中で、日本文化における考察も行われている。5)日本企業におけるダイバーシティマネジメント(女性活躍推進)とウェルビーイングな働き方の調査:大企業25社の事例研究をグローバルコンパクトネットワークジャパン(GCNJ)とスタートさせた。6)コロナ禍のSDGs調査:GCNJの毎年行っている日本企業300社超の参加するSDGs調査に協力し、報告書に寄稿するとともに、そのお披露目セミナーにて企業事例のモデレーターを行い今後の方向性としてウェルビーイング経営について示した。7)コロナ感染予防アプリ:ウェルビーイングの一環として企業とともにアプリの作成と改良を行い、NHKでも紹介された。8)留学生調査:「留学生とコロナ禍」に関する調査を行い学生が国際学会で発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年に入り、日経新聞が次のSDGsは「Well-being」というプロジェクトを始めるなど、社会のニーズが高まっている。2021年度は、以下を行う。 1)テレワークとウェルビーイング調査:1年後の調査を行い、論文とする。2)ウェルビーイング教育の実装調査:大きな手ごたえが得られたので、就活学生への教育も含めて大学教育に取り入れられるべく出版する。3)小冊子の刊行:『ウェルビーイング研究シリーズ』冊子の発行を続ける(ISSN:2436-3022)。4)日本文化の中のマインドフルネス・ウェルビーイング:小冊子をもとに英語による出版を目指す。5)日本企業におけるダイバーシティマネジメント(女性活躍推進)とウェルビーイングな働き方の調査:国連グローバルコンパクト・リーダーズサミットにて、日本としての発表を行う。また、報告書の作成や、英文による発表を行う。6)SDGsに関して:ウェルビーイングとSDGsについての調査を行う。また、査読論文の出版を目指す。7)コロナ感染予防アプリ:継続して、ウェルビーイングアプリへのステップとする。8)外国人とウェルビーイング:共同研究の可能性を探る。9)ビジネス倫理:コロナ禍により資本主義の形が変わってきた。ウェルビーイングを目指すビジネス倫理についてまとめる。10)ウェルビーイング経営:出版を目指す。 また、ウェルビーイングという概念の文化的背景(ポップカルチャー)や、それにまつわるオープンイノベーションのアプローチを研究し、国際学会での発表を予定している。
|
Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由としては、以下の3点があげられる。(1)コロナ禍により、出張(東京)や国際学会関連の予定が大幅に変更となった。(2)コロナ禍により、社会のニーズが移ったため。ストレス低減策・レジリアンスとしてマインドフルネスが注目されたが、やがて、それがウェルビーイングというコンセプトに集約されてきた。また、SDGsも広がり、その関連性も考えられるようになった。そのため、当初の研究自体は変更していないが、概念が広がった。(3)コロナ禍により、実際のヒアリング調査が行えなくなり、また、教育実装実験の授業もオンラインになるなど、調査手法が大きく変化した。 2021年の予定としては、謝金(ウェルビーイング関連の小冊子発行や研究のためのホームページの整備、研究補助など)や資料、書籍代、英文校正費用などを予定している。
|