2017 Fiscal Year Research-status Report
雇用形態の多様化が集団及び組織に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17K03912
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
小玉 一樹 福山平成大学, 経営学部, 教授 (80736934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 正康 福山平成大学, 経営学部, 教授 (20199186)
吉田 順子 広島女学院大学, 人文学部, 准教授 (60789080)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 組織アイデンティフィケーション / 雇用形態 / ダイバーシティマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の企業組織には様々な雇用形態の労働者が数多く存在する。この研究計画では,雇用形態の多様化が組織にどのような影響をもたらすのかを調べることによって,組織パフォーマンスへの効果とそのメカニズムを定量分析および定性分析を用いて明らかにするものである。 初年度では,各雇用形態の違いによる社会的カテゴリーの特徴を調べ,職務態度・職務行動との関係性を明らかにするため,インターネット調査会社に登録している18歳~65歳までの正社員,契約社員,派遣社員,嘱託社員,パートタイマー(学生を除く)1600名を対象に予備的な質問調査を行った。 その結果,60歳以上の嘱託社員の職務態度は他の雇用形態のものと比較して高いことがわかった。特に,組織アイデンティフィケーションは組織に対する帰属感や一体感を表す指標であるが,正社員よりも値は高いことがわかった。一方,パートタイマーや派遣社員は組織との結びつきは弱く,職場の好き嫌いなどが職務行動に影響を及ぼしていると推測される。 また,雇用形態別に組織アイデンティフィケーションと職務満足が離転職意思に及ぼす影響について検討した結果,パートタイマーを除く雇用形態の者は,それぞれが独立して離転職意思に影響を及ぼしていたが,パートタイマーは組織アイデンティフィケーションと職務満足の交互作用が有意であった。 2年目の計画である企業におけるインタビュー調査については,予備調査を基に企業との打合せを行っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.質問紙調査項目に時間を要したこと。 2.学内研究倫理委員会においては,インターネット調査が初めてであったことから,理解を求めるのに時間を要したこと。 3.前年度,学内研修事業を受け持つこととなり,準備や実施に時間を要したこと。 以上により,研究のための時間が確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
インターネット調査会社に登録している18歳~65歳までの正社員,契約社員,派遣社員,嘱託社員,パートタイマー(学生を除く)1600名を対象に行った質問調査の結果を,9月に学会で発表する予定である。 H30年8月には,企業におけるインタビュー調査を実施し,質的分析を行う予定である。 最終年度は,これらを分析結果を基に論文を執筆する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は,調査に取り掛かる時期が遅れたため,学会での報告を断念した。 本年度は前年を含め,学会での報告に取り組む計画である。
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