2018 Fiscal Year Research-status Report
雇用形態の多様化が集団及び組織に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17K03912
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Research Institution | Fukuyama Heisei University |
Principal Investigator |
小玉 一樹 福山平成大学, 経営学部, 教授 (80736934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 正康 福山平成大学, 経営学部, 教授 (20199186)
吉田 順子 広島女学院大学, 共通教育部門, 准教授 (60789080)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 雇用形態 / ダイバーシティ / 組織アイデンティフィケーション / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究計画では,雇用形態の多様化が組織にどのような影響をもたらすのかを調べることによって,組織パフォーマンスへの効果とそのメカニズムを明らかにするものである。組織内に異質な集団が混在することで生じる集団間葛藤は,パフォーマンス低下や離職による人員減など負の効果があると考えられている。一方,異質な集団が混在することによる組織パフォーマンスの向上もあるとされる。 本研究では、まず雇用形態の違いによる組織アイデンティフィケーション(OID)と職務満足感が離転職意思に及ぼす影響の違いを明らかにした。その結果,雇用形態に関わりなく,OID と職務満足は離転職意思に影響を及ぼしており,OIDと離転職意思の関係を職務満足が媒介していることが示された。 つぎに、これら結果に基づき、企業へのインタビュー調査を行った。その結果、事業所内の従業員間のネットワークの違いが、事業所の業績にも影響を及ぼしている可能性がうかがわれた。すなわち、雇用形態が相違する従業員たちは、職務を遂行するためにそれぞれが独自のネットワークを形成し仕事に関する情報を交換しており、その違いが業績にも関係していると考えられるのである。 そこで本研究では,雇用形態の相違する従業員間のネットワークに着目し,「雇用形態が相違する従業員がネットワークをどのように形成し,職務に関わるソーシャル・キャピタルを獲得しているか」「彼らがどのようなネットワークをもち,それを活用しているか」について,定量的な分析方法に基づき検討する。 現在、雇用形態が相違する従業員が混在する同一法人の4つの事業所を対象に、ネットワークに関する調査が終了し、分析が行われている。これらの結果は、論文としてまとめられ投稿される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業へのインタビュー予備調査において、事業所内の従業員間のネットワークの違いが、事業所の業績にも影響を及ぼしている可能性が指摘される。すなわち、雇用形態が相違する従業員たちは、職務を遂行するためにそれぞれが独自のネットワークを形成し仕事に関する情報を交換しており、その違いが業績にも関係していると考えられるため、現在、雇用形態が相違する従業員が混在する同一法人の4つの事業所を対象に、ネットワークに関する調査および分析が行われていおり、ほぼ順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
同一法人の4つの事業所の従業員を対象にしたネットワーク調査結果を基に分析が行われる。その後執筆を行い、学会誌などに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
調査時期が2018年11月となり、多少遅れたため、8月および9月に開催される学会等での発表を断念したため、旅費交通費が計上されていない。 調査方法について一部変更する余地がある。そのため、今期分析ソフトを購入するため、前期は予算使用を差し控えた。 本年度は、調査結果およびその分析結果に基づき公表する計画である。
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Research Products
(2 results)