2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K03916
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
品田 誠司 東北大学, 経済学研究科, 博士研究員 (80773077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 災害 / 社会的ネットワーク / アントレプレナー / 移動 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「災害によるネットワークの変化が起業家の増加にどのように影響を与えるか」を解明することを目的としている。令和2年度は①社会的ネットワークと起業特にクラウドファンディングに関する起業家の社会的ネットワークの実態把握に向けたインタビューを継続して実施 ②主として起業を支援する立場の者へのインタビュー調査を中心に行った。その結果、震災後に被災地へ移住した者、あるいはその後も継続して支援を行い、被災地の起業家に関するリスト作成等を継続して実施している。③特に、起業家の中でも震災後の起業家に特徴的な社会的課題を解決するという視点で起業した者へのインタビューを継続して実施している。④コロナに関連するネットワーク研究も行っている。 以上、本年度は4つの方向からの研究を行った。その結果、事例調査をクラウドファウンディング利用者へと拡大し、被災地のクラウドファウンディングとそのネットワークの拡大を東京の同種事例と比較した研究、被災を経験した起業家がその製品を制約条件下における製品開発と位置付けて事業を拡大した事例、シリアルアントレプレナーとノービスアントレプレナーの事業協同、製品化を行うに当たっての被災企業とのコラボレーション、等の事例を確認している。また、コロナに関連してネットワークを駆使しながら、新製品開発を進めている事例の調査を深めた。 2020年度はここまでの研究をまとめて学会誌に論文を投稿し、受理されている(日本ベンチャー学会誌NO37)。更に、同研究が評価され東北大学経済学部が関係する記念財団から研究奨励賞を受賞した。2021年度はこれまでの研究の結果として、更にまとめとなる論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度はインタビュー等の調査を宮城県内だけではなく比較研究でリモートではあるが首都圏や熊本県へと拡大することができた。その結果、個別事例の事例収集と分析は進みつつある。また、ここまでの研究成果を論文にまとめ学会誌に掲載されるなど一定の成果を得た。しかしがら、令和元年度の遅れを回復するまでには至っておらず、本年に至ってはコロナ問題で調査が難しい状況となっているため、総合的には現在の状況は「やや遅れている」状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は調査を更に拡大して熊本県まで拡大して被災地の起業家を調査を開始した。また、被災地の起業家の震災後9年時経過時と比較しながら、起業動機と社会的ネットワークの変化を調査する。また、熊本県の調査を実施し、他の災害との比較を行うことでの比較研究まで拡大することとする。 以上の点とともに、3年度は更に所属学会誌に複数投稿することを想定している。
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Causes of Carryover |
2021年度は熊本を含めたアンケート調査と分析を完成させるとともに、状況が可能であれば学会発表の移動等、各地の研究調査に使用する予定である。 また、
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