2017 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける自動車サプライヤーの階層化・現地化に関する国際比較研究
Project/Area Number |
17K03930
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 修嗣 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (80239938)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | トヨタ自動車 / トヨタグループ / 協豊会 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、資本関係に重点をおいて、調査研究を行った。特にトヨタ自動車に焦点をあてた。トヨタ自動車は、16社を「トヨタグループ」としている。1996年以降のデータを分析すると出資比率の上昇が確認できた。第一に、最終組立に関するメーカーに対するものの上昇率が高い。第二に、その他の出資比率の上昇の企業は、アイシン精機株式会社、株式会社デンソー、トヨタ紡織株式会社、豊田合成株式会社、株式会社豊田自動織機である。ここで、これからトヨタグループを分析していくうえで、重要な点である相互持合いがみられることである。各社ともトヨタからの出資比率の変化はあまりないが、グループ16社の出資が行われ、出資比率が上昇している(豊田合成を除く)。この役割を果たしていることが確認できるのが、株式会社豊田自動織機、株式会社デンソー、東和不動産株式会社である。第三に、出資比率の維持、減少がおこっている企業である。株式会社ジェイテク、愛知製鋼株式会社、豊田通商株式会社が、出資比率を維持している。トヨタからの比率は維持されており、筆頭株主であることも変わりない。 16社から協豊会への出資については次のことが指摘できる。 全体の傾向としては、1996年からの比較として確認できるのは、トヨタの出資を補完する形で、新たに出資に加わり、トヨタグループ16社が、出資比率を上昇させていることである。出資を増大させているのは、70社の内、26社であるが、7社が1から2社のグループ企業の新たな出資を受けている。 このことは、グループ16社における持合いの進行とあわせて考えると、グループの一体性が進んでいる企業群が確実に形成されていると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ分析で、トヨタ関連のサプライヤー・システムの資本関係の構造が把握できた。 30年度は、これをもとに他のメーカーのサプライヤー・システムや取引関係を予定どおり分析する。 9月にこれまでの研究成果を学会で発表する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
30年度は、ホンダ、日産、マツダのサプライヤー・システムの資本関係と日本メーカーの主要な取引関係を分析する。分析方法は、データ分析と国内外でのヒアリングを予定している。 海外については、中国を予定している。
|