2021 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける自動車サプライヤーの階層化・現地化に関する国際比較研究
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17K03930
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 修嗣 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (80239938)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トヨタグループ / 中国自動車産業 / サプライヤー・システム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナ等の影響を受け、ヒアリング調査が、予定通りに遂行出来ず、データ分析中心となった。 実績の概要は、次の二つである。 第一は、トヨタグループの発展方向である。トヨタは、広告などでも様々な種類の車のすべてに力を入れていく「全方位」を主張している。しかし今後の市場見通しから考えても主力は、電動化にあることは間違いない。その事は、この12年間にグループ16社のどのサプライヤーに増資してきたかを見ても明らかである。増資してきたのは、アイシン、デンソー、豊田自動織機、愛知製鋼、豊田通商、豊田合成、ジェイテクトである。 第二は、中国自動車産業のサプライヤー・システムについてである。中国乗用車最大手、 上汽集団は、総合部品メーカーの華城汽車系統を中軸にサプライヤー・システムを形成している。競争力あるシステムを形成してきていると言えるが、サプライヤーの開発参加や評価方法で課題があると言える。広汽集団は、重要な部品の自社開発を行うとともに、系列サプライヤー・システムを構築している。さらにオープンなサプライヤー・システムも形成しつつある。このオープンなサプライヤー・システムは、民族資本系の方がより進行していると言える。BYDは、「垂直統合」という内製率が高い競争戦略をとってきたが、コア部品重視という基本戦略は変えないものの、2019年よりサプライヤーを選定・調達するためのシステムを完成させている。同じ民族資本系の吉利汽車もモーターや電池など重要部品については、資本関係を形成しつつ、他の部品では多くのサプライヤーと連携を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒアリング調査は、コロナ等の関係で遅れており、データ分析で仕事を進めているが不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
インド・タイ・中国のサプライヤー・システムの比較をデータ分析で行い、遅れを取り戻したい。
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Causes of Carryover |
最大の要因は、ヒアリング調査が充分に実施できなかったことである。あと研究会などもオンラインで費用が要らなかったことが指摘できる。今後の使用計画としては、コロナ等の影響を受けないデータ分析中心で行う。
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