2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K03936
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
櫻木 晃裕 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10331604)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キャリア中期 / ストレス / コーピング / 社会的支持 / モティベーション / リーダーシップ / 自己効力 / 自己肯定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績については、次の通りである。 詳細としては、(1)学術論文2編:①「日本の学校組織におけるCDPシステム-キャリアステージとマネジメント能力の視点-」『日本近代学研究』(韓国日本近代学会・全18頁)、②「組織におけるダイバーシティ・マネジメント構築に向けての基本的視座-LGBTQを包括した人的資産フローの有効性-」『宮城大学ジャーナル』(宮城大学・全10頁)、(2)国際学会Proceedings1編:③韓国日本近代学会第41回国際学術大会「組織変革におけるダイバーシティ・マネジメントの方向性-人的資産としてのLGBTQ-」(Web開催・東義大学校・全20頁)、(3)学会発表1編:④人材育成学会第18回年次大会「インフローマネジメントインにおけるコミュニケーション機能の不全-新型コロナ影響下の新潮流―」(Web開催・東京経済大学・全6頁)、以上の4編である。 また、2020年10月実施(本年度オンデマンド)の浜松市教育委員会の教員免許状更新講習「学習リーダーの育成」においても、これまでの調査、分析、考察に基づく研究成果を報告した。さらに、2020年4月以降の「東京都江東区男女共同参画審議会」においても、研究成果の一部について援用し報告している。大学院講義の一部でも、研究成果を報告している。これらにより、〇目的1-組織成員のキャリア形成のプロセス特性を、「定性分析」に基づいて構造化する、〇目的2-組織成員の「キャリア中期の危機」を、「定量分析」に基づいて抽出し顕在化させる、〇目的3-「キャリア中期の危機」を克服するための「コーピング」モデルの要件を提示する、〇目的4-「コーピング」を有効に機能させるための「キャリア開発プログラム」を設計する、これらの4つの基本目的については一定の達成水準である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度の研究進捗では、学術論文、国際学会Proceedings、学会発表などの研究成果としてのアウトプットについては、予定よりも充実した結果であると考えられる。 ただし、「キャリア開発プログラム(Copingモデル)」の有効性検証においては、新型コロナウイルスの影響のため、予定していた方法での検証が不可能となり、検証方法の変更による視座の再設定と理論研究のさらなる拡充のために、「補助事業期間延長承認申請書」を提出して承認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、令和元年度まで予定通り進行していたものの、令和2年度の研究進捗においては、40歳代の「キャリア中期の危機」に対する課題解決のCopingモデル要件を提示したものの、新型コロナウイルスの影響により、有効な「キャリア開発プログラム」の有効性に対するトライアル実施および検証が不可能となり、「補助事業期間延長承認申請書」を申請した。 本年が研究の最終年度となるため、①より精緻な仮説モデルの構築による理論研究の推進、②異なる方法での信頼度の高い仮説検証の実施、これらに基づいて、4つの研究目的を達成をするものである。これまでの一連の調査・研究から得られた成果については、学術論文を作成して投稿するとともに、韓国日本近代学会の国際学術大会、人材育成学会および産業・組織心理学会などの年次大会においても研究発表を実施する。さらに、調査協力組織・団体に対して、新たな研究成果を提供することで、本研究における成果の客観的評価を強く志向するものである。同時に、現実のマネジメントにおける組織および組織成員に対する貢献についても、積極的に取り組む予定である。 昨年度と同様に、新型コロナウイルスの影響から、有効性検証の内容・方法について、さらに変更の可能性があるものの、十分なリスク管理を前提とした積極的な研究活動に邁進する。2021年5月開催の、韓国日本近代学会国際学術大会(Web開催)においては、既に研究発表をエントリーして発表許可について承認されている。
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Causes of Carryover |
理由の第1は、当初から「設備備品費」として予算化している統計解析「SPSS心理学パッケージ」(300,000円)分について、購入時期が延期、見送りされたことである。理由の第2は、新型コロナウイルスの影響により、国際学会での発表がWeb開催に変更となり、発表にかかわる諸費用(旅費、参加費など)の計上を中止したことである。第3は、同様に、有効性検証のトライアル実施および関係する会議がなくなり、その費用(旅費、会議費など)の計上を中止したことである。 これまでの未使用分については、研究内容のより一層の精緻化と研究成果の情報提供を目的として、研究会の実施、学会発表の追加、成果資料の配布に充てることを予定している。
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Research Products
(4 results)