2019 Fiscal Year Annual Research Report
Design and adjustment of corporate governance of university start-ups: how the universities and university researchers are to be engaged in
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17K03940
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小関 珠音 大阪市立大学, 大学院都市経営研究科, 准教授 (20779368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 淳 中央大学, 経済学部, 教授 (30636486)
山田 仁一郎 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (40325311)
長尾 謙吉 専修大学, 経済学部, 教授 (50301429)
新藤 晴臣 大阪市立大学, 大学院都市経営研究科, 教授 (70440188)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大学発ベンチャー / 有機EL / ガバナンス / エコシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
大学及び大学研究者は、大学発ベンチャーにどのように関わるべきか。大学・大学研究者と大学発ベンチャーとの関係性の調整は、大学関係者側の主体的な意思決定によるベンチャー経営当時者へのリーダーシップ移転と、経営者側の経営改革の行為によって、段階的に実現される。本研究では、国内で2017年度までに上場を果たした大学発ベンチャーの分析を行った結果、多くの大学発ベンチャーが、取締役の交代やビジネスモデルの変更を経て、創業より10年程度の月日を要して上場に至っており、シリーズA/B/Cのみの資金調達で、順調に上場を達成した企業が極めて少ないことが判明した。一般的にベンチャーキャピタルの投資期限が7‐10年であることを考えると、両者の時間軸に齟齬があり、ここに構造的課題が生じている可能性を見出した。 加えて大学発ベンチャーは、大学への近接性の優位性を持ち、知識のスピルオーバー等を介して、経済価値創出の基盤となるビークル(器)として機能するだけではなく、地域経済政策との連携、産業動向などと関連付けて議論される必要があるとの課題認識を持った。このことについて、有機EL分野の基礎技術を有するベンチャー企業2社の机上調査と、国内の有機EL関連の大学研究者/ベンチャー企業等にヒヤリングを実施した。その結果、大学発ベンチャーの役割が、「産業ライフサイクル進展の基盤形成」と「ラジカルイノベーション創出の触媒機能」の2点に集約されることが判明した。 なお、日本の大学発ベンチャーの個別具体的なデータの検証においては、研究期間が2014年までとそれ以降の2017年までの間において、日本政府政策等の充実度が異なるため、個別企業の状態や起業の在り方について変化が激しく、抽象的な概念を形成するためには、今後の進展も加味する必要性があることが判明した。
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Research Products
(19 results)