2017 Fiscal Year Research-status Report
地域企業の変容・進化と国際展開に係わる研究:ルーティンとイノベーションの関与
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17K03942
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
大東和 武司 関東学院大学, 経営学部, 教授 (40152194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域企業 / 伝統 / イノベーション / 国際展開 / 変容 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域企業が国際展開へと経営活動を変容・進化させていく際の根幹について探索することを目的としている。 平成29年度は、事例研究の一環として、伝統産業である備後絣をデニムに転換させたカイハラ初の海外生産子会社であるタイ法人へのヒアリングをはじめ、広島の自動車関連企業ヒロテック本社や広島アルミニウム工業の中国・南通の子会社、地場産品を活用した工芸品からランプシェードなど日用品へ転換をはかったブナコ(弘前市)、そして新たな地域企業として起業した北海道小樽市のオルゴール堂ほかの企業を訪問し、インタビューを行った。これらは、今後の研究展開への大きな糧となるものであった。 文献研究・事例研究をふまえた学会報告としては、オーストリア・ウィーンのVienna University of Economics and Businessで開催されたEuropean Business History Association(2017年8月24日-26日)(テーマ:Transformation in Business and Society:An Historical Approach)において、「Innovation and Tradition in a Japanese Denim Maker」のタイトルで、8月26日に、カイハラの国内での発展過程を検討した事例を取り上げた共著論文をベースにした内容について研究報告を行った。なお、共著者とは、次の展開についての検討・意見を求めるために、2018年2月に地域企業にかかわる合同研究会をもった。 本研究に関連する研究業績の一端としては、①江夏健一ほか編著『理論とケースで学ぶ国際ビジネス第4版』同文舘出版、平成30年3月(第12章分担執筆・単著)、②『〈際〉からの探究:国際研究の多様性』文眞堂、2018年3月(「あとがき」)などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例研究を中心としているために、ヒアリング、インタビューは重要となる。訪問企業からは、それぞれに限られた時間のなかではあったが、研究上の確認とさらなる展開のための有益なヒントおよび示唆を得ることができた。 本研究のベースのひとつである大東和武司ほか編著(2008)『グローバル環境における地域企業の経営』以来積み上げてきた共同研究のひとつの成果としての共著論文をもとに学会報告を行なったが、このことによって、国内とは違う視点からの質問など新たな研究上の刺激・示唆を受けることができた。 さらに、印刷物としての本研究にかかわる研究業績としては、補完する役割をもつ研究業績を含め、書籍として2冊の上梓にかかわることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においても、文献研究とともに事例研究をさらに深め、精緻化するために、国内外でのヒアリング、インタビューは継続して行う予定である。 また、これまでの成果をまとめ、学会あるいは研究会での報告を行うとともに、論文等としての公刊へと引き続きつなげていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)