2021 Fiscal Year Research-status Report
地域企業の変容・進化と国際展開に係わる研究:ルーティンとイノベーションの関与
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17K03942
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
大東和 武司 関東学院大学, 経営学部, 教授 (40152194)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域企業 / イノベーション / 伝統 / 国際展開 / 変容 / 進化 / 変形力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域企業が国際展開へと経営活動を変容・進化させていく際の根幹について探索することを目的としている。2021年度は、以下のように研究を積み上げてきた。 【書籍】はその準備を進め、出版社への入稿を終え、2022年度に単著が刊行予定である。 【コラム】「地域同族企業と社会情緒的資産」を『世界経済評論IMPACT』No.2272(2021年8月31日)にて公刊した。地域同族企業における社会情緒的資産(SEW)による国際展開への制約と克服の視点でコラム的に論じた。 【学会報告】1「同族企業の異質性と海外進出の関係-地域企業を対象として-」を国際ビジネス研究学会全国大会(専修大学・オンライン)にて2021年11月7日に共同で報告した。報告意義は「同族企業」「地域企業」「上場・未上場企業」の海外直接投資に関する実証研究を試みた点にある。とりわけ、対外直接投資における日本の同族企業の特異性としてのSEW(社会情緒的資産)に焦点をあてた結果、同族企業の方が対外直接投資の傾向が高いことが判明した。また、同族企業で外部経営者比率が高まる(同族比率が低くなる)ほど対外直接投資傾向は高まるという結果が併せて得られた。 2「地域企業の国際化と社会とのつながり-日系同族企業の事例-」を国際ビジネス研究学会関西・関東合同部会(オンライン)にて2021年8月30日に共同で報告した。地域企業の国際展開と地域とのつながりについて、SEW(社会的情緒資産)を鍵概念として、ツネイシを事例として考察した。 3「中堅・中小企業の海外進出‐日系同族企業の事例‐」を国際ビジネス研究学会中四国部会(オンライン)にて2021年5月8日に共同で報告した。カイハラを事例に、その海外進出について、技術的な優位性構築に加え、同族企業としての関連性、またSEW(社会的情緒資産)との関連性の側面で考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間を延長したが、Covid-19のなかで、事例研究において重要な要素である実際のヒアリングまたインタビューはできなかったものの、初期の3年間で行ってきた60回以上のインタビュー・ヒアリングをふまえた研究課題への机上での探究には、大いに時間をかけることができた。その結果、これまでの4冊の書籍(共著あるいは共編書)、査読論文3本、WEB5本、国際学会報告2回、国内学会報告(オンライン国際フォーラムを含む)5回に加え、新たに、書籍(単著)の原稿入稿を終え、2022年度刊行につなげたことや、学会報告3回、WEB1本と、研究業績を積み上げることができたのは、大きな進捗であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題について、当初の3年間で、多くの企業等へのヒアリングを踏まえ、書籍4冊、論文等3本、国際学会報告2回、国内学会3回、研究会5回などと、ある程度順調に進捗してきた。しかし、ヒアリングの進捗度合いが十分ではなかった点、加えてまとめのひとつとして考えていた2020年3月の学会がCOVID-19の影響で延期予測があったことなどから、未使用額が発生することとなり、期間延長を行った。その結果、2020年度は、机上での研究課題への探究を進捗させ、新たに論文2本、学会報告3回、WEB3本の成果をあげることができた。しかしながら、対面でのヒアリングなどを行うことが、Covid-19の長引く影響により行えず、予算執行に支障をきたし、次年度への一部繰り越しとなった。2021年度は、単著刊行に向けての準備が中心となり、その進捗確認も含めて、3回の学会報告を行い、コラム1本執筆し、単著原稿の入稿につながり、2022年度刊行予定となった。ただ、予算的には、学会のオンライン、またヒアリングの困難さなどにより、引き続き一部繰り越しとなった。2022年度は、採択されたリアルでの国際学会報告を行いたいし、また英文論文としても成果を発表したいと考えている。その出張費用、また添削費用等も予定している。
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Causes of Carryover |
研究課題において、リアルでのヒアリングの占める割合は大きいが、Covid-19の長引く影響により行えず、また成果の一部としての国内外の学会報告もオンラインでの開催となり、主に出張等の支出に重きを置いていた予算執行に支障をきたし、次年度への一部繰り越しとなった。 ただ、2022年度は、出張の緩和化を期待し、国内学会、また採択されたリアルでの国際学会報告を行いたいし、また英文論文としても成果を発表したいと考えている。その出張費用、また添削費用等への支出を主なものとして予定している。
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Research Products
(3 results)