2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K03945
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
鳥取部 真己 北九州市立大学, 大学院マネジメント研究科, 教授 (80454396)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / 仕事経験 / 創造性 / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、年度前半に、技術者の仕事経験と創造的成果を媒介する概念として、「技術者の能力」に注目し、既実施のインタビュー調査を再整理しながら、創造的成果を生み出す技術者の能力にまつわる投稿論文を作成して査読誌への投稿を行った。より具体的には、創造的な新製品を生み出す製品開発リーダーは、「アイデアの提案と実現のための工夫をする力」、「幅広い専門技術」「俯瞰的な視点の高さやシステム志向をする力」、「プロジェクトを推進するリーダーとしての力」、「内発的なモチベーション」を持つと考えられるという内容である。査読結果は残念ながら掲載不可となったが、査読者からの指摘点をふまえた改稿を今後とも進めて、査読誌への掲載を目指していきたい。 また、前年度に行った技術者の仕事経験についての文献研究をふまえて、既取得データを用いた技術者の仕事経験の多様性についての統計分析を進めた。これまでの文献研究の整理から、小池(2006)などによるタテとヨコのジョブ・ローテーションにみられる客観的な仕事経験と、金井・古野(2001)などによる「一皮むける経験」に代表される主観的な仕事経験とを組み合わせて、既取得データから技術者の仕事経験のパターンを作るなどを試行したが、現在までのところ研究成果を公表できるほどの研究成果を得ていない。 このように、平成30年度に進めた研究活動は、今年度の研究業績とすることはできなかったが、令和元年の業績とするべく研究を推進していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
技術者の経験と成果の関係を媒介する能力についての論文を執筆し、技術者の経験のパターン化を試行するなどの研究を進めたものの、投稿した論文が掲載不可になったことや、経験のパターン化が研究業績にまとめるまでに至らなかったことなどによって、平成30年度の研究業績にするに至らなかった。また、研究科内での共同研究の研究負荷が想定よりも高く、また本研究との関連性が薄かったことも一因である。かかる状況をふまえ、達成度がやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に進めた研究内容を研究業績化するにあたって、旅費などを活用して在首都圏の連携協力者の協力やアドバイスを適宜得ながら研究業績化を進めていきたい。この研究業績化をひとつのテコにして、本研究にまつわる調査に理解や関心があるリサーチサイトの獲得を進めていきたい。 また、研究科内での共同研究プロジェクトの実施や教育や管理・運営にまつわるその他の業務の輻輳などが引き続き予想されるが、共同研究プロジェクトにおいては、本研究にまつわる調査・研究を可能な範囲で織り込む努力を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、技術者の経験と成果の関係を媒介する能力についての論文を執筆したものの、掲載不可との査読結果になった。また、技術者の経験のパターン化を試行するなどの研究を進めたものの、研究業績にまとめるまでに至らなかった。これらの要因も相まって、難航しているリサーチサイト獲得ができなかったことが大きな理由である。さらには、研究科内での共同研究の研究負荷が想定よりも高く、また本研究との関連性が薄かったことも一因としてある。 今後、まずは旅費を活用して、在首都圏の連携協力者の協力やアドバイスを適宜得ながらこれまでの研究内容の研究業績化を進めたい。この研究業績化をテコにして、難航しているリサーチサイトの獲得にトライしていきたい。
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