2017 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の中国・タイ中間層市場開拓の戦略:本社・現地法人の組織学習を中心にして
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17K03947
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
李 新建 東洋学園大学, 東洋学園大学現代経営学部, 教授 (30433684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
申 美花 茨城キリスト教大学, 経営学部, 教授 (00543555)
今口 忠政 茨城キリスト教大学, 経営学部, 教授 (40102941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グローバル競争戦略 / 新興国中間層市場 / 組織学習 / 経営資源の国際移転 / 信頼構築 / 破壊的イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、グローバル競争戦略・新興国市場開拓・イノベーション戦略・組織学習・組織能力・経営資源の国際移転・信頼構築などに関する理論文献をサーベイ・検討し、本研究プロジェクトのフレームワークの構築・精緻化に取り組んできた。研究代表者は以下の国内外の研究学会に参加し、国際ビジネス、とりわけ新興国ビジネスに関する学術研究の最新成果を収集するよう努めた。国際ビジネス研究学会関東部会第89回と第90回研究会、国際ビジネス研究学会中部部会第32回研究会、国際ビジネス研究学会第24回全国大会、Academy of Asia Management 2017 Conference、Academy of International Business 2017 Annual Meeting、International Conference on Trust、等の研究学会である。研究代表者と分担者・研究協力者は本田技研工業、パナソニック、資生堂、ダイキン工業、ユニ・チャーム、花王などの大手企業の海外ビジネス、とりわけ新興国市場開拓に関するケース研究を行った。2018年3月21~24日に、研究代表者と研究協力者は資生堂と本田技研工業の中国北京市における販売・サービス及び中国人消費者購買行動に関する実地調査を行った。平成29年度の理論研究の成果は研究代表者と分担者が東洋学園大学『現代経営研究』のジャーナルに掲載されている論文に集約されている。本稿はポジションニング競争戦略論,破壊的イノベーション,RPV理論と組織学習,グローバル統合と現地適応のバランス,ものづくりの競争力の階層的モデルの視点から,新興国中間層市場を開拓するために必要とされる重要な要因・プロセス・価値転換等を9つの戦略課題に集約した。平成29年度の理論検討及び事例研究により、平成30年度の研究課題及び実証研究の問題点を明確化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は予定通りに理論検討と事例研究に取り組んでいたが、インタビュー調査は当初の計画よりやや遅れている。その理由は、本研究課題は新興国市場戦略、グローバル競争戦略、イノベーション戦略、組織学習、組織能力、国際知識移転、異文化経営、信頼構築など多分野多方面の課題が複雑に絡み合っているため、インタビュー調査に着手する前に、できるだけ多くの学術研究の成果を精査し、研究フレームワークの精緻化を極める努力と時間が必要であったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、昨年度の研究成果を踏まえて、更なる学術文献をサーベイ・検討し、本研究独自の理論仮説を構築する。日本企業の中国及びタイ国中間層市場向けの事業展開に関する事例・情報を著書、学術誌、ビジネス誌、新聞記事、マスメディア、企業HP、オンライン販売サイトなどの多方面のソースから収集し、整理する。同時に日中タイ三カ国のインタビュー調査を実施し、事例分析及び事例間の比較研究を行う。東洋学園大学大学院及び現代経営学部の中国人留学生の協力を得て、日本企業の中国中間層市場開拓に関する資料収集を行う予定であるが、必要に応じて中国の研究協力者に一部の調査活動を委託する。タイ中間層市場開拓に関する資料収集と一部の実地調査は、タイ国Naresuan大学の研究協力者に依頼する予定である。インタビュー調査の業界は、オートバイ・自動車、家電、化粧品、生活用品、食品などを中心に進める予定である。研究を遂行する上での課題としては、インタビュー調査対象企業に打診し、如何にしてそれらの企業からの協力を得ることができるかが挙げられる。この課題に対応するためには、調査依頼状において本研究課題の日本企業のこれからの持続的発展にとっての重要性を説明・強調した上で、①研究代表者と分担者・協力者がいままで訪問した企業の関係者に直接連絡する、②JETROや日本コンサルティング会社の中国及びタイ国現地法人に連絡し、現地日系企業への紹介を依頼する、③本研究課題の典型的な事例と思われる企業の関連部門に直接打診する、④研究代表者と分担者・協力者が勤務している大学の卒業者に連絡し、インタビュー対象企業の紹介を依頼するなどの対応策を講じる予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は2つある。平成29年度に予定されていたインタビュー調査を平成30年度に持ち越すようになったことと、研究分担者が突然の事情により中国現地調査に参加できなくなったことである。これらの金額は、平成30年度分として請求した助成金と合わせて、日本国内インタビュー調査、中国及びタイ国における現地調査、研究協力者や大学院・学部生アルバイトへの報酬・謝金として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)