2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on workers' job-specialities and expertise management of organization
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17K03949
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 寛 青山学院大学, 経営学部, 教授 (30240120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 専門性 / 専門性マネジメント / 保育士 |
Outline of Annual Research Achievements |
「保育士の専門性・専門性意識と施設における専門性マネジメント」というテーマで学会での発表および学術論文の投稿を行った。近年、保育需要の増加や、延長保育等保護者からのニーズ多様化等により保育士の役割は拡大してきた。他方、虐待への対応や発達障害を持つ子どもへの支援等、高い専門性を要する職務が増加し、保育士に対する意識調査の結果からも多くの保育士が高い専門性が要求されるようになってきたと感じている実態が明らかにされた。同時に、各施設(保育所)でも保育士の専門性を高めるための様々な人的資源管理(専門性マネジメント)が実施されている。こうした実態を保育士に対する質問票調査に基づき分析した。その結果、①保育士の専門性に対するコミットメントは先行研究で示されてきた職務満足への寄与だけでなく、これまで検討されてこなかったキャリア満足、キャリア展望という幅広い時間軸を反映したキャリア発達にも寄与することが示された。さらに、園内研修を除く専門性向上行動にも寄与しており、態度次元、行動次元をまたがり、多くの観点から個人にポジティブな影響を与えることが明らかにされた。②職員の仕事や施設へのコミットメントを高めるような人的資源管理は全体として専門性に対するコミットメントを向上させることが明らかにされた。③その中でも特に積極的な教育訓練と公正な評価・処遇が影響する。④積極的な教育訓練と公正な評価・処遇は保育士の専門性コミットメントを高めることを通してキャリアに対する満足感等の意識や園外研修への参加等の専門性を高める行動への積極的参加につながった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本と外国でのインタビュー調査及び質問票調査については、インタビュー調査及び外国での一部の質問票調査がコロナ禍の影響で実施不能となった。しかし、日本での質問票調査については、専門職である看護師と保育士、さらに一般企業の従業員に対する調査を計3回実施することができた。また、中国での質問票調査を1回実施することができた。さらに、学会発表を2回、学術論文(単著)を2本刊行することができた。コロナ禍の影響はあったが、全体としては、概ね順調な進展がみられているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年9月には、大きな研究目的であった単著の学術書『働く人の専門性と専門性意識』が創成社より刊行予定である。さらに、職務の特性と職務態度等との関係における専門性意識の役割についての学会発表と学術論文の刊行が予定されている。
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Causes of Carryover |
理由 本年度コロナ禍により日本における組織従業員への質問票調査を実施しなかったため。 使用計画 次年度、本年度分と併せ、調査会社にアメリカ、中国各200人、日本400人のデータ回収を目標とするインターネット調査を委託する。また、調査結果の分析、発表等のため、結果を入力したデータファイルを調査会社に作成してもらう。以上の費用に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)