• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2018 Fiscal Year Research-status Report

プラットフォームビジネスにおけるネットワーク効果と普及促進・阻害要因の解明

Research Project

Project/Area Number 17K03950
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

大内 紀知  青山学院大学, 理工学部, 教授 (10583578)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsプラットフォームビジネス / 普及 / ネットワーク効果 / テキストマイニング
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、プラットフォームビジネスにおけるサービスの普及の促進・阻害要因が未解明のため、企業が誤った普及戦略を立案している可能性があるとの問題意識のもと、プラットフォームビジネスにおける「普及段階に応じたネットワーク効果の変化」「普及の促進・阻害要因」の定量的な解明をねらいとしている。平成30年度は、フリマアプリ市場を対象にユーザレビューのテキストデータからプラットフォームビジネスの普及促進・阻害要因について、詳細な分析を行った。特に、現在、フリマアプリ市場で圧倒的なシェアを有するアプリが後発アプリであることに着目し、ネットワーク効果が働く市場で先発アプリを逆転した要因の解明に焦点をあてた。代表的な4つのフリマアプリに関する2012年-2016年のユーザレビューから、レビューにおけるトピックを推定し、フリマアプリごとに各トピックの評価値を算出し比較を行った。
分析の結果、普及の導入初期においては、現在市場シェアトップのアプリは、「購入」「取引環境」「商品」のトピックでは先発アプリより劣っていた。「ネットワーク効果」のトピックでは、先発アプリに劣ってはいたが、その差は僅かであった。一方、「手数料」のトピックでは、他のアプリに比べ非常に高い評価を得ていた。これらの結果から、後発アプリが普及に成功した要因として、先発アプリのネットワーク効果の影響がまだ小さく市場への参入が容易であったことに加え、販売手数料無料という低価格戦略によりユーザを獲得できたことが挙げられる。普及の導入後期になると、現在市場シェアトップのアプリが「購入」「取引環境」のトピックにおいて先発アプリを逆転し、「ネットワーク効果」でも他のアプリに比べ高い評価を得るようになり、さらに、普及の成長期になると、「ネットワーク効果」の優位性が際立っていたことが示唆された。これらの研究成果は学会で報告している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の平成30年度の実施計画であるネットワーク効果の分析、普及の促進・阻害要因の分析について、以下の通りおおむね順調に進展している。
ネットワーク効果の分析については、代表的な4つのフリマアプリのユーザレビューに対し分析を行い、ネットワーク効果を表す特徴語を抽出し、その特徴語に係り受けする評価語のポジティブ・ネガティブの割合から評価値を算出することで、各アプリのネットワーク効果の時系列的な推移を比較することができた。普及の促進・阻害要因の分析に関しても、代表的な4つのフリマアプリのユーザレビューにする分析を行い、フリマアプリごとに各トピックの評価値を算出し比較することで、普及の促進・阻害要因を解明できつつある。
これらの分析モデル・手法、試行分析の結果に関して、国内学会や海外研究者とのワークショップなどで意見交換を通じて、有意義な知見を得ることができ、チキン・エッグ問題への対応など今後の新たな研究課題もでてきた。

Strategy for Future Research Activity

ここまで得られた研究成果をもとに、他の市場での分析も試みる。また、ネットワーク効果の働く市場において、サービスを普及させる上で大きな問題となるチキン・エッグ問題に対し、どのように対応すべきかについて検討する。これらの分析モデル・手法の開発・改良にあたっては、これまで構築した研究者ネットワークを活用することで研究の推進を図る。特に、実務家の知見を取り入れていく。

Causes of Carryover

国際会議で発表を予定していたが、日程の関係上、参加を見送り旅費を使用しなかったためである。次年度、国際会議で発表、海外研究機関との打合せに必要な費用に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ユーザレビューから探るメルカリの成功要因2018

    • Author(s)
      中村玄希,鈴木啓,大内紀知
    • Organizer
      経営情報学会2018年秋季全国研究発表大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi