2018 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Ethical Leadership from Organizational Politics Perspective
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17K03961
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 琢磨 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (30454549)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 組織内政治 / 倫理的リーダーシップ / イシュー・セリング / 制度理論 / レトリック / モラル・ディスエンゲージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に行った文献調査と予備的インタビューに基づき、理論研究および実証研究の中間まとめを行った。その中で、前年度で明らかにした重要概念と理論的枠組み(例:イシュー・セリング、正当性、レトリック、制度理論)に基づき、理論構築の中間段階として、仮の命題の構築を試みた。また、本年度の研究により、新たにモラル・ディスエンゲージメントと呼ばれる概念に着目し、今後、理論モデルへの反映を検討している。 本年度の成果としては、第一に、本年度の研究に基づいて前年度に行ったワークショップの内容を発展させ、「ミドルアップによる倫理問題のイシュー・セリング」と題するワークショップを企業の実務者を対象として開催し、理論的枠組みや重要概念、および実践への応用可能性について議論した。さらに、研究成果をもとに、企業実務者を対象として倫理的リーダーシップに関する学習会を行い、中間段階ではあるが研究成果の普及を進めた。 また、文献調査とインタビュー調査の結果を研究論文としてまとめ、国際学会での口頭発表論文として応募し、査読の結果、応募枠を獲得した。発表は2019年5月に行う予定である。そのほか、本研究に関連する調査データとして、スペインの企業で働く会社員の業務行動と企業の社会的責任、倫理的価値観に関する質問紙調査の回答データをスペインの研究者から提供され、本テーマに関連する調査研究として共同研究を行った。成果の一部はすでに査読性学会誌で発表されており、一部は現在、論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度末に立てた計画に従い、本年度は文献調査の継続、およびインタビュー調査を中心に進めた。当初計画では、平成30年度は質問紙調査を予定していたが、29年度の進捗と発見事実により、30年度もインタビュー調査から開始した。 予定していた文献調査、インタビュー調査はほぼ予定通りに進捗したが、前年および本年中に、本研究のテーマに関連する論文が多く発表され、新たな理論研究も発表されたため、研究の新規性を高めるための考察に時間を要した。また、学事日程の都合により出席できる学会が限られたこともあり、年度内に発表予定であった論文も発表が次年度(2019年度)の5月となった。しかし、この発表時期の遅延はわずかなものであり、おおむね予定通りとの進展とみなしている。 また、実務家を対象としたワークショップの内容は、実務家教育の素材として参加者から高い評価を受けた。現在、試験的教材も作成中であり、本研究課題の目標の1つである、研究成果をもとにした教育研修ツールの作成も順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる2019年度は、研究成果の論文発表と、研究成果の社会への還元としての、研究成果に基づく教育研修ツールの作成を完了させる。 発表を予定しているデータはほぼ得られているが、今後も研究発表や査読等の機会を利用して他の研究者からフィードバックを受け、必要に応じて追加的にデータを収集する。また、仮説検証のためのアンケート調査も実施予定であるが、フィードバックの内容次第では、追加インタビューや実験など、他の形でのデータ収集も検討して進める予定である。これらのデータをもとに、研究論文を完成させて年度内に公表する。 教育研修ツールの作成は研究論文の作成と並行して進める。理論的妥当性や実証的妥当性のみならず教材としての使いやすさ、内容の明瞭さが求められるため、これまでと同様に、ワークショップや学習会を開催し、実務者からのフィードバックを受けながら作成を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、学事日程との調整により予定していた学会出張が行えなかったこと、インタビュー協力者がボランティアでの協力を希望し謝金の受け取りを辞退したこと、および、テープ起こしの事業者とのデータのやりとりに使用していたウェブサービスにシステム上のトラブルがあり、委託せずに自分で入力を行ったため人件費への支出が当初よりも大幅に少なくなったこと、の3点である。 2019年度は学会出張を予定しており、2018年度に使用できなかった分を充当する。人件費の未使用分に関しては、今後の調査研究の推進に必要が生じた場合に限り使用する。予定していたその他の支出項目に関しても、調査研究上の必要に応じて使用する。
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Research Products
(5 results)