2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Ethical Leadership from Organizational Politics Perspective
Project/Area Number |
17K03961
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 琢磨 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (30454549)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 倫理的リーダーシップ / 政治行動 / イシュー・セリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、業績優先の営利企業において疎かにされがちな倫理的リーダーシップの政治的性質の解明に取り組んだ。具体的には、日本企業で働くミドルマネジャー対象のインタビュー調査の分析により、企業内で倫理的リーダーシップを発揮するうえでの政治行動の重要性を明らかにするとともに、効果的な政治行動として必要とされる具体的な行動を明らかにした。 先行研究では社会的資本の活用、他者の巻き込みの重要性が指摘されてきたが、本研究では、社会的資本の活用や巻き込みをどのように行っていくのが有効かを社内人的ネットワークの分析を含めて明らかにした。 分析の結果、新卒入社からの長期勤続者は同期ネットワークを活用しているためネットワーク構築を意識的に行っていない傾向があり、中途入社者は社内ネットワークの不足を認識し、積極的にネットワーク構築に従事していることが明らかにされた。そして、ネットワーク構築の際に、社内政治の全体像(政治的ランドスケープ)をいかに読み取るかが重要であることが示唆された。さらに、ネットワークの構築と活用にあたって、倫理的リーダーシップ行動が影響を与える社内ステークホルダーの感情への配慮が重要であることが示された。社内政治の研究において他者の感情を分析に含めることの重要性は近年指摘され始めたが、先行研究の議論は感情知性を持つことの重要性を指摘するにとどまっていた。本研究では、他者の自尊感情への配慮がリーダーシップ行動において重要であることが示された。 さらに本研究では、定量データの統計的分析を用い、レトリックが倫理的問題の支持率への影響、倫理性に対する無関心を生み出す業務の特徴、倫理性が従業員の行動や顧客の反応に与える影響も明らかにし、上記の質的研究の発見の重要性を裏づける実証結果を提示した。
|
Research Products
(6 results)