2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on generation process of path dependency for scientific research and an effect of the dependency on R & D for enterprises
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17K03966
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
品川 啓介 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (70791549)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経路依存性 / イノベーション / ポートフォリオ / 研究開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然科学の学術専門領域の研究者集団には、それまでに蓄積された知識に囚われ他領域の進歩や現況の認識を欠いたまま研究に邁進してしまう現象が散見される。以後、経路依存性と定義する。これを自然科学の研究における大きな問題点と捉え、この特徴を示唆する追加データの収集を行う共に、研究者間でのディスカッションを重ね論文化するための理論構築を行った。結果、任意の研究者集団も過去の蓄積に囚われ将来の研究を継続してしまうことを見出した。またこの研究を進める過程で、論文書誌情報のネットワーク分析により、画期的な科学の発見がなされてから2年以内(フォロワー企業が追従できる範囲)に同定する手法を開発した。具体的には論文累積数推移が急増する付近において著者キーワードの共起関係を分析する手法である。そこでは、社会ネットワーク理論におけるブリッジにあたる科学理論が該当領域の発展の起点となることを見出した。この現象は社会ネットワーク理論における弱い繋がり理論とストラクチャーホール理論によって解釈できるものと捉え、今後、国際会議発表や論文化に繋げる予定である(近畿地域での研究-ビジネスマッチングイベント:共創イノベーション SDGs×DX in けいはんなでも高い評価を得ている)。別途また、これらの理論フレームワークの他領域への応用を試み、下記国際会議での発表を行っている。
Shinagawa, K. Are the SDGs challenges to tame problems? The ISPIM Innovation Conference Innovating Our Common Future, Berlin, Germany on June 2021.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウィルスの影響によりキャンセルされていた追加インタビューと理論構築のためのディスカッションをオンラインの活用により実施することができた。これにより、本研究の仮説の再検討と理論化が進んだ。これをもって論文化を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、競合する技術開発に関わる研究の経路依存性を分析してきた。これについて、効果的にオンラインを用いること追加インタビューと理論構築のためのディスカッションが順調に進んだことから、これらの結果を基にした論文作成、投稿を行う。また、この研究から得た理論フレームワークが社会科学領域にも応用できる可能性を見いだした(SDGsに関わる 社会科学領域)。これについても研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
英語査読論文執筆に関わる経費が必要なため(投稿費、英文校正、参考図書購入など)。
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