2017 Fiscal Year Research-status Report
日本企業の海外MBA派遣制度と派遣MBAへの実態調査:派遣目的の変化と退職の原因
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17K03967
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
金 雅美 和光大学, 経済経営学部, 教授 (20366967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 日本的経営 / 日本人MBAホルダー / 海外MBA派遣制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究の中心である日本人MBAホルダーに対するインタビューを行った。日本で働く日本人MBAホルダーの実態を探る前に、MBAに関連のある企業や大学関係者に対するインタビュー調査を行った。調査対象は、①MBA留学支援会社の大手である(株)アゴス(横山社長)、②MBA人材を中心とした転職支援会社である(株)キャリア・インキュベーション(荒井社長)、③日本で最も古い留学支援会社(MBAを含む)である栄陽子留学研究所(主席カウンセラー:栄氏)、④IESE(スペインのビジネススクール)の日本MBAアドミッションズ・オフィス(アソシエイト・ディレクター:西田氏)、⑤香港中文大学のビジネスススクール教員(牧野先生)である。加えて、海外のビジネススクール卒業生による日本人MBA留学希望者のための説明会((株)アゴス主催の「MBA祭り」と「アジアMBA祭り」)に参加させてもらった。次に、日本人ホルダーと一言で言っても、アメリカ、ヨーロッパ、アジア地域と多様なビジネススクールへの留学が主流である現在、日本人MBAホルダーであるインタビュー対象者も多様化せざるをえない。今年度は、日本で働く欧米のビジネススクール卒業者4人(うち社費派遣者が2人)、アジア地域(中国)のビジネススクール卒業者10人(うち社費派遣者1人)、そして香港で働く日本人MBAホルダー7人、加えてEMBA(エグゼクティブMBA)ホルダー3人に対するインタビュー調査ができた。インタビューの方法は、個人に対して1~2時間の間で、会って話を伺った。例えば、日本で働く日本人MBAホルダーに対する調査内容としては、①MBA留学前後でのキャリアの概要、②MBAの取得スキルとその活用、③派遣に対する意見や退職状況(とくに社費の場合)などについて尋ね、他は自由に話してもらっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的に、上述したような調査内容は、今年度は計画通りまたは計画以上の成果があったと考えている。本研究の対象である、欧米のビジネススクール卒業者、アジア地域のビジネススクール卒業者(中国)、EMBAホルダー卒業者というすべての調査対象者とのインタビューを実施したからである。なかでも、香港で働く日本人MBAホルダーに対するインタビュー調査を行えたことは、大きな成果であった。この調査によって、これまでほとんど日本では知られることのなかった中国のビジネスススクールを卒業して、その後もそこで働く日本人MBAホルダーの興味深い実態が初めて明らかにされている。さらに、日本で働く中国のビジネススクールを卒業した日本人MBAホルダーに対するインタビュー調査も実施したため、両者の比較考察まで可能にした。これらの詳細にわたる調査分析は、これから行う企業に対する調査を設計するうえで重要である。企業に対する調査票の基本的な設計はできているが、今年度の調査結果をもとに、さらに精緻化させる必要がある。また、アジアのオフショアとしての香港だけの調査ではなく、同時にシンガポールでの調査(シンガポールで働く日本人MBAホルダーを対象)も行う必要性を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、上述したような調査内容は、今年度は計画通りまたは計画以上の成果があったと考えている。本研究の対象である、欧米のビジネススクール卒業者、アジア地域のビジネススクール卒業者(中国)、EMBAホルダー卒業者というすべての調査対象者とのインタビューを実施したからである。なかでも、香港で働く日本人MBAホルダーに対するインタビュー調査を行えたことは、大きな成果であった。この調査によって、これまでほとんど日本では知られることのなかった中国のビジネスススクールを卒業して、その後もそこで働く日本人MBAホルダーの興味深い実態が初めて明らかにされている。さらに、日本で働く中国のビジネススクールを卒業した日本人MBAホルダーに対するインタビュー調査も実施したため、両者の比較考察まで可能にした。これらの詳細にわたる調査分析は、これから行う企業に対する調査を設計するうえで重要である。企業に対する調査票の基本的な設計はできているが、今年度の調査結果をもとに、さらに精緻化させる必要がある。また、アジアのオフショアとしての香港だけの調査ではなく、同時にシンガポールでの調査(シンガポールで働く日本人MBAホルダーを対象)も行う必要性を感じている。
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Causes of Carryover |
今年度計画していた企業に対するアンケート調査が次年度に持ち越されたため、その予算が次年度の予算に計上されている。この調査では、アンケート調査にかかる実費が大きいため、次年度は多くの調査資金を使用する予定である。さらに、その後も企業に対するインタビュー調査を予定しているため、日本中に存在する多くの企業を訪問する予定であるため、インタビュー旅費も必要となる。 そのほか、次年度はシンガポールとマレーシアでの日本人MBAホルダーに対するインタビュー調査も予定しているため、そのための海外旅費も必要になる。この調査では、今年度の香港での調査に引き続き、類似した調査をシンガポールとマレーシアでも行う予定である。 以上のように、次年度は調査を中心に行うため、そのための実費が多くを占める予定である。またこれ以外にも、資料購入のため(洋書が中心)の費用が多くかかる予定である。
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