2017 Fiscal Year Research-status Report
韓国自動車部品企業のグローバル生産戦略とGSSの変貌―日韓比較を通じた理論探索―
Project/Area Number |
17K03976
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 電気自動車(EV) / 中国 / グローバルサプライチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、市場・技術変化と顧客企業のグローバル生産ネットワーク(GPN)のリデザインプロセスの中、韓国自動車部品企業のグローバル生産展開プロセスと要因、特定地域のサプライヤーシステムに与える影響(サプライチェーンのリデザイン、 取引構造、分業と競争関係等)とメカニズム、ダイナミズム(地域とOEM間)を明らかにすることである。 そこで、まず、今年度には,GPNのリデザインのロジックについて明らかにした。GPNのリデザインは、成長市場の変化、労働賃金の相対的な向上による地域間比較優位性の変化、生産拠点間の生産能力の差などの要因が、生産拠点の戦略的役割の変化をもたらし、特定リージョンを中心とした、GPNのリデザインが行われる。つまり、生産活動の外部環境要因のダイナミックな変化が生産拠点間の連携や戦略的位置付けの変化をもたらすことがわかった。もう1つは、GPNの拡大と分散の中,当該生産国やリージョン内のサプライヤーシステムの不完全性が発生することになり,そうした現地サプライヤーシステムの貧弱性は当該リージョンに進出している第3国のサプライヤーを相互活用するメカニズムが働くことを明らかにした。また、中国リージョンにおける新しい技術イノベーションによるサプライヤーシステムの変貌を探索するため、電気自動車(EV)市場について分析した。中国政府によるEVへのシフトの理由について、中国政府の環境政策,市場での自動車普及率のスピードからEVを選択し、これまでのガソリン車中心のゲームルールを変え、国内産業の強化と環境問題を解決する手段としてEVへのシフトとそうした産業政策が行われていることを論じた。 一方,研究調査として,韓国部品サプライヤーとOEMに対する追加調査を実施した。 以上のことを研究成果として3つの論文執筆、1回の学会発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部の研究成果を発表しつつ、3編の論文を刊行したものの,学部長としての大学業務が重なった年でもあって、十分に研究調査ができず当初予定していたテキストマインド分析のためのデータベース構築が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度には、十分な研究時間を確保しつつ、研究の遅れを取り戻したい。2018年度は、韓国調査を行うとともに、予定していた日韓部品企業の海外生産戦略の比較分析に関してはこれまでの成果を踏まえて成果発表を行う。また、本研究課題のひとつであるより綿密な理論構築と仮説提示を行った上、テキスト分析のためのデータ構築を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
二つの理由により、繰越金が発生した。一つ目、現地(中国内陸)の異常気候により、現地での移動の困難性が指摘されており、現地調査に支障が生じる恐れがあり、現地調査を行わなかったからである。二つ目、学務により、調査出張の日程を組むのが困難だったためである。2017年度に比べ、2018年度は学務の不確実性も減り、予測可能性が高くなるので、旅費に充当し、計画的に実行していく予定である。
|