2020 Fiscal Year Research-status Report
韓国自動車部品企業のグローバル生産戦略とGSSの変貌―日韓比較を通じた理論探索―
Project/Area Number |
17K03976
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グローバルサプライチェーン / 複合多層的サプライヤーシステム / グローバル生産ネットワーク / 中国 / EV 電気自動車 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、市場および技術変化と顧客企業のグローバル生産ネットワークのリデザインプロセスの中、韓国自動車部品企業のグローバル生産展開プロセスと要因、 特定地域のサプライヤー・システムに与える影響(サプライチェーンのリデザイン、取引構造、分業と競争関係等)とメカニズム、ダイナミズムを明らかにすることである。 ところが、新型コロナ感染拡大とその影響により、昨年度に続き、研究の取りまとめまで至っていない状況である。2020年度は、主たる研究対象である自動車産業ではないが、造船産業を対象に、構造調整期の企業行動を分析した成果を「京都マネジメントレビュー」に掲載した。 この論文は市場の転換期に構造調整をめぐって各造船企業がとった行動がその後の企業成長パスを決めるようになったことを明らかにしている。企業を取り巻く環境要因、とりわけ規制が企業の成長経路にどのような影響を与えるのかについて、明らかにすることである。具体的には、1970年代のオイルショック以後、三度にわたって実施された設備規制などに対して、造船企業がとった行動を考察する。オイルショックによる造船不況に対して、国は過剰供給状態と判断し、国策として設備処理や規制を通じて縮小均衡を目指していた。設備規制に対する行動も、多角化路線の重工業系大手と造船専業の中手では異なった。さらに、将来を見据えた設備処理や規制に対する異なる企業行動は、多くの中小企業を集約させることになる反面、設備の規模拡大を図った企業の中では市場拡大期に異なる成長パスを描くようになった。 外部環境の変化によるサプライチェーン及び生産拠点の集約またはリセットなどは本研究においても示唆するものがあり、本研究への適応可能性が高いと思われる。今後、残っている課題を延長した研究期間中に遂行していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画より遅れを取るようになった理由は、地政学的なリスクと感染症の拡散による側面が大きく、計画よりやや遅れている状況である。とりわけ、当初予定していた対象企業に対する現地調査のアポイントメントがうまく取れず,現地インタビュー調査を実行できない状況であった。それで、部分的に計画の変更・再延長し、可能な範囲でも調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの感染拡散の状況を見極めつつ、中国や韓国、アセアン地域において定性データを収集するため、現地調査を行う予定であり、研究成果をまとめた上、論文執筆と学会発表などを行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大とその影響のため、定性データの収集のためのフィルド調査が実施できなかったため、再延長を行った次第である。次年度には、感染状況を見極めながら、可能な範囲でインタビュー調査及び現地調査を行いつつ、研究成果の取りまとめをおこう予定である。
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