2021 Fiscal Year Research-status Report
韓国自動車部品企業のグローバル生産戦略とGSSの変貌―日韓比較を通じた理論探索―
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17K03976
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イノベーション / サプライチェーン / キャッチアップ / 中国 / EV 電気自動車 / デジタル化 / 後発企業 / 造船産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、市場および技術変化と顧客企業のグローバル生産ネットワークのリデザインプロセスの中、韓国自動車部品企業のグローバル生産展開プロセスと要因、 特定地域のサプライヤー・システムに与える影響(サプライチェーンのリデザイン、取引構造、分業と競争関係等)とメカニズム、ダイナミズムを明らかにすることである。ところが、新型コロナ感染拡大とその影響により、昨年度に続き、研究の取りまとめまで至っていない状況である。 2021年度の研究業績としては,まず,テキスト『イノベーション入門』(新世社,共著)の全13書の内,第1~4,11,12章を担当し,デジタル革命とEV化,CASE革命の中で主要なイノベーション理論を解説と事例分析,特に,不確実性の観点からイノベーション活動とGSCMへの影響などについて概観した。次に,中国後発バッテリーメーカーCATLの成長戦略について,SCMと生産能力拡張という側面に焦点を当てて,後発企業が技術力を向上しながら世界1のバッテリーメーカーに成長できた要因について分析を行った。もう1つは,日本企業の競争力低下が著しい中,危機に対するリーダーシップの問題と,危機克服のためのリーダシップのあり方について論じる「ビジネスにおける危機の醸成と克服のリーダーシップ」を執筆した。最後に,グローバル化経済の深化とエネルギー資源およびバッテリー関連の原材料の争奪戦といえる世界経済の急速な変化の中,高まる船舶需要と市場変動について分析,日本の造船産業及び各社のポジションと戦略,そして東アジアにおける分業体制の可能性について分析を加えた「日本の造船産業の現況」を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画より遅れを取るようになった理由は、地政学的なリスクと感染症の拡散による側面が大きく、計画よりやや遅れている状況である。とりわけ、当初予定していた対象企業に対する現地調査のアポイントメントがうまく取れず,現地インタビュー調査を実行できない状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの感染拡散の状況を見極めつつ、中国や韓国、アセアン地域において定性データを収集するため、現地調査を行う予定であり、研究成果をまとめた上、論文執筆と学会発表などを行う予定である。2022年度は,コロナ禍の状況への対応も国ごとに違っているが,韓国地域の政治情勢を勘案すると,今年度現地調査の実現可能性は高いと思われる。最終年度として取り組みたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により,現地フィールド調査ができなかったためです。それで,次年度にはこれまであまりできなかった定性データの収集(インタビュー調査)と研究成果発表に研究費を充当する予定である。
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