2022 Fiscal Year Annual Research Report
Global Production Strategies of Korean Auto Parts Firms and the Transformation of GSS: A Theoretical Exploration Through Comparison between Japan and Korea.
Project/Area Number |
17K03976
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
具 承桓 京都産業大学, 経営学部, 教授 (20367949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イノベーション / サプライチェーン / キャッチアップ / 電気自動車 / 後発企業 / 海外子会社 / 組織能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,市場および技術変化と顧客企業のグローバル生産ネットワークのリデザインプロセスの中,韓国自動車部品企業のグローバル生産展開プロセスと要因,特定地域のサプライヤー・システムに与える影響(サプライチェーンのリデザイン,取引構造,分業と競争関係等)とメカニズム,ダイナミズムを明らかにすることである。ところが,新型コロナ感染拡大とその影響により,研究の総取り纏めまでは至っていないが,一定の研究成果を公表している。その内容は以下の通りである。 第1に,韓国自動車部品産業の1つの軸となる合弁企業の組織能力の向上が確認されていることとそこには現地化の圧力が多く作用していること。第2に韓国自動車産業の発展プロセスは,持続的かつ安定的な成長の道を辿ったよりも,マクロ経済環境の変化に柔軟に対応し,リスクテイカーの姿勢,新市場開拓,適時の海外進出と投資,開発プロセスの効率化とデザイン及びブランド戦略の並行,新しいモビリティと次世代技術への取り組みなどの事業システム全体の一新と能力構築が大きな成長要因とされること。第3に,EV化に伴い,中核部品であるバッテリーや関連部品・素材と関連した,地政学リスクが高まっており,グローバル生産拠点のポジションを含めた生産戦略と部品企業のグローバルサプライチェーンの変化は,必ずしも経済的・地理的な要因によるものだけではなく,米中対立をはじめとする世界政治情勢が大きく影響与えること。さらに,脱炭素税の拡大と地域経済圏の規制などが,今後サプライチェーンのデザインや管理における大きな要因になると思われる。最後の二つは,現在,渦中にあるため,類似な状況にある半導体産業やバッテリー産業なども観察しながら,今後の継続的な研究課題にしたい。
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