2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人グローバルリーダーの成長モデル構築と育成プログラム開発
Project/Area Number |
17K03985
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
平井 達也 立命館アジア太平洋大学, 教育開発・学修支援センター, 教授 (80389238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勘一郎 立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (10569784)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グローバルリーダー / 多文化理解 / 研修開発 / コンピテンシー開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的は、1)日本人グローバルリーダーの特徴を明らかにし、2)その成長プロセスに関するモデルを構築し、3) グローバルリーダーのコンピテンスを測定する質問紙を作成し、4)グローバルリーダー育成のための教育プログラムを開発し、5)そのプログラムの効果を質問紙で測定する、という5点である。 平成30年度はこれらの目的のうち、主に1)から4)までを実施することができた。まず1)については、日本人グローバルリーダー(以下、GLとする)をnomination methodで抽出し、15名程度の日本人GLへの深層面接を実施した。それらの面接内容をもとにグラウンデッドセオリーに基づいて質的分析を行い、日本人GLの様々なコンピテンシー(能力や態度、価値観、スキルなど)を整理した。さらに、これらの情報を時系列で再整理を行い、日本人GLの発達モデルを創出した。 次に、日本人GLのコンピテンシーモデルをベースにして、グローバルリーダーシップ尺度を開発した。この尺度を使うことで、量的にグローバルシーダーシップを測定することが可能となる。 一方、日本人GLの発達モデルを参考に、どのような経験がコンピテンシーの発達に関連するのかを抽出し、グローバルリーダーとしてのコンピテンシーを身につけるための研修・ワークショップのプロトタイプを開発し、それを授業や研修で実施する準備を行った。 以上が、平成30年度の研究実績である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は研究に遅れが見られたため、日本人グローバルリーダー(以下、GLとする)へのインタビューと質的分析を終えることができなかったが、平成30年度においてはそれらを無事に終了することができ、日本人GLのコンピテンシーおよび発達モデルを創出することができた。また、当初の予定にあったグローバルリーダーシップ尺度も概ね開発が終わり、細かい調整を待つのみである。また、グローバルリーダー養成プログラムは平成31年度に行う予定であったが、先取りしてその内容をすでに開発中であり、プログラムの開発と実施、および尺度による効果検証を平成31年度に行う準備が概ねできている。 以上の理由をもって、本研究は概ね順調に進展していると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である平成31年の主な目的は、グローバルリーダー養成プログラムの開発とその効果検証である。そのために、まず効果を測定するための尺度を最終段階まで整備し、研修の前後で効果を測定できる準備を6月までには終了する予定である。次に、本研究で明らかになったグローバルリーダーのコンピテンシーと発達モデルに関する知見を活かしたグローバルリーダー養成プログラムを、研究者らが担当しているリーダーシップに関する授業や、社会人と留学生を対象としたグローバルリーダーシッププログラムなどに適用する。そのプロトタイプを春学期のうちに実施し、効果測定を行なった上で、プログラムの改良を行い、秋学期にさらに改善されたプログラムの実施と効果測定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
最終年度の平成31年度は、グローバルリーダー養成プログラムの開発が主な目的であるが、そのためにはモデルとなる研修やプログラムを事前に見学もしくは参加し、早い段階からプログラム内容に関する情報やリソースを集めておく必要がある。そのため、当初の計画でいくつかの研修やプログラムの参加・視察をもっとや早くに行う予定であったが、先方の予定などもあって実現したのが3月末となった。したがって、これらの研修参加・視察の清算が次年度になされることになった。(実際の研修参加やプログラム視察はすでに終わっている。)
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