2017 Fiscal Year Research-status Report
ビッグデータ対応型消費者行動モデリングによるマーケティング資源配分全体最適化
Project/Area Number |
17K03988
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石垣 司 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (20469597)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ビッグデータ / データベースマーケティング / 機械学習 / 階層ベイズモデル / パーソナライゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、購買ビッグデータに適用可能な消費者行動モデリングの研究を行った。現在、マーケティングの学術的研究や実務で用いられている購買ビッグデータ分析手法は、パターンやルールの発見やデータの傾向を要約する多変量解析、データマイニング、機械学習の方法論が主である。これらの方法論は、大量データの取り扱いが比較的容易であり、画一的なアルゴリズムの適用により高速に分析結果を得ることができる利便性をもつ。しかし、その反面、消費者が購買に至るまでのマーケティング活動に対する反応メカニズムや、効用や参照価格に代表される潜在変数の影響を考慮していない。そのため、マーケティング研究が志向する、消費者が購買行動に至るプロセスやメカニズムなどに関する高度な知見を直接的に得ることは難しい側面がある。その課題を解決するため、ビッグデータに対応可能な消費者行動モデリングのより詳細な実証を行った。また、その結果は査読付き英文論文誌に採択が決定している。次に、その成果の知見を活かしたマーケティング資源配分の全体最適化の研究に着手を始めている。上記の成果として実現される効用や購買確率の変化量の情報の利用を前提として、資源配分の全体最適化のために解くべき問題のクラスに関する整理を始めた。効率的な近似最適化アルゴリズムの適用のために、マーケティング施策とそれぞれの因子軸の個別化の観点から、全体最適化のための問題の複雑さを整理し、複数のクラスに分類を始めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記した小目標1は9割以上は達成され、すでに小目標2と3に関する研究に着手している。また、小目標1の内容は査読付き英文論文誌に採択が決定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発した手法の発展または発展的応用を推進し、小目標2と3の達成を目指す。加えて、他分野での応用についても模索する。
|
Causes of Carryover |
初年度に計上した大規模購買履歴データの購買費用を次年度以降の購買に変更したために、次年度使用額が生じた。その購買は次年度以降での利用を計画している。
|