2017 Fiscal Year Research-status Report
アジア小売国際化における内外競争戦略の構築に関する実証的研究
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17K03990
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鍾 淑玲 東京工業大学, 工学院, 准教授 (30381338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢作 敏行 法政大学, イノベーション・マネジメント研究センター, 研究員 (40230289)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小売国際化 / コンビニエンス・ストア / 埋め込み戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)まず、昨年までの研究成果を反映させる形で分析枠組みに関する研究論文を作成した。具体的には、小売国際化におけるアジア市場での持続的な成長のために,新たな分析フレームワークを提示することを目的として、埋め込み(embeddedness)概念と小売国際化(retail internationalization)の既存文献を考察し,小売国際化における埋め込み概念の導入意義,埋め込みへの影響要素,現地適応化との違いなどを明らかにした。 2)アジア小売国際化における内外競争戦略の構築に関する実証的研究を行う対象である焦点市場の選定をおこなった。平成29年度は候補国から、研究期間内で実施できる焦点市場を中国、台湾、タイの3つに絞り込んだ。 3)日系コンビニの参入方式を①子会社による直接進出、②マジョリティーでない合弁会社方式、③純粋なフランチャイズ・ライセンシングに3つの分析軸で考察を行う予定であるが、近年、日系コンビニが複数の参入方式を併用する傾向があることが明らかになった。 4)特に今年度は中国を焦点市場として、文献レビューを行い、さらに、北京市における現地調査を行った。まず、既存文献や調査機関のデーターベースから、現地における小売業に対する外資規制を把握した。さらに、北京市政府の公式サイトを利用して、主要都市である北京市のコンビニ政策の変遷を考察した。現地調査で2018年3月に中国の北京市において、日系コンビニ2社と現地資本のコンビニ(ファンド系資本のコンビニと国有の伝統的なコンビニ)2社を対象として、企業インタビューおよび現地調査を行い、それぞれの事業展開の現状(店舗数や加盟店比率、売上高など)、コンビニ事業システムの概略、および戦略を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小売業態における市場競争が激しくなっているなか、対外的に情報公開する企業が少なくなっている。このような状況の中、今年は焦点市場の一つである中国・北京市において、日系コンビニ2社と現地資本のコンビニ2社を対象に企業インタビューおよび現地調査を実施することができた。研究成果を論文としてまとめるのは少し時間が必要であるが、本研究の目的の達成には一歩前進したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は中国・北京にて実施した現地調査に基づき、論文を完成させる予定である。さらに、国内外の学会における口頭報告、学術論文への投稿を予定している。 実態調査に関しては、中国における上海などの主要都市、または、タイ、台湾などの焦点市場を対象に、現地調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
一昨年の研究予算が一部繰り返されたことと海外調査を一回にして旅費等を節約したことが、次年度使用額が生じた理由になる。 今年度は数回の海外調査を実施する予定であり、計画的に使用していきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)